「ギャラリーフェイク」
秋の読書週間その3
漫画である。しかし、たかが漫画と馬鹿に出来ない。小学館の
「ビッグコミックスピリッツ」に1992年から不定期で連載され、
2005年に終了。全32巻。
主人公は、「ギャラリーフェイク」という名の画廊のオーナーで
ある藤田玲司。元ニューヨークはメトロポリタン美術館の
キュレーターという設定。しかも修復の腕も超一流。裏の
美術品のブラックマーケットにもネットワークを持ち、日本の
美術界では鼻つまみ者とされているが、実は密かに一目
置かれている存在。
現実には、これだけの事を、一人の人間がやってのけるのは
到底無理。キュレーターと言えば、狭く、深くの世界。個人の
専門がしっかりしていて、個々の分野にそれぞれの
キュレーターが存在する。本からの知識のみでは限界があり、
いかに本物を見たかという経験の世界。本物を見ずして、
偽物はわからない。美術館といったって、世界中の名品を
全部持っている訳ではない。むしろ名品の半分以上は個人
(もしくは法人)の所有ではないだろうか。
しかし、主人公の存在は自分が一修復家として憧れ的といっても
言い存在でもある。もちろん究極ではあるが。漫画(フィクション)
ゆえにというのはさておき、書かれているエピソードの話題は
多岐にわたる。和洋、古今東西、彼の知らないものはないぐらい。
私の知る限り家具に関してはほんの数エピソードしか絡まないが、
それでも読む価値は十分にあると思う。
本当に作者の細野不二彦氏はどうやって、毎回ネタを探して
きたのかとても興味深い。アート通のブレインに当たる人物が
いたんだろうなと想像するが、実際はどうなんでしょう??
この際、大人買いで全巻揃え、赤ワインちびちびやりながら秋の
夜長に読むというのは結構、粋だと思うのだが。
(しかし、内容の濃さに一夜に全巻読破は難しいと思う。)






