Royal Warrant
イギリスには、ロイヤル・ワラントという制度がある。
あの王室御用達という奴である。ハロッズがロイヤル・ワラントを
失ったのは記憶に新しい。日本では宮内庁御用達というのが、
似た制度であった。
(宮内庁御用達は名前としては残っているが、戦後、
制度としては廃止された)
王室に製品、またはサービスを収めていればなんでもいいので
ある。あのコーン・フレークのケロッグ社やソニーUK等もワラント
の保持者である。コーン・フレークの箱にもしっかり王室の紋章が
入っている。
そして、それはもちろん家具修復にまでにも及ぶ。とりわけ、
ロイヤル・レジデントであるウインザー城、バッキンガム宮殿と
相次いで火事で被害を受けた為、多くの修復家や彫刻家が借り
出され、ロイヤル・ワラントの保持者となった。
5年ごとに更新しなければいけない、この制度。その5年間に
いかに王室の為に仕事をしたかで更新出来るかが決まる。
王室のお墨付きという肩書きが業者に箔をつけるので、業者は
ベストのサービスを最低価格で提供する。王室にとっては
良いこと尽くめである。王室の威光を広めつつ、且つ商業的に
上手く活用されるようになっている。
その昔、エリザベス女王が海賊ドレイクに王室のお墨付きを
与えたように民間を上手く使うのは今も昔も変わりないようである。
写真 ロイヤル・ワラントを持つとこの紋章を堂々と会社に
掲げることが出来る。
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