Adhesive
粘着する物、接着剤。
家具の修復には、膠意外に結構多くの接着剤を使う。
ざっとここに書き上げてみようと思う。
天然系
*膠(Animal Glue, Scotch Glue, Hide Glue)
他の記事参照
*ラビット・スキン・グルー(Rabbit Skin Glue)
その名の通り、ウサギの皮から取った接着剤。粘度は膠
より弱く、乾いても完全には固形化しない為、ギルディング
(金箔張り)に使用。
*フィッシュ・グルー(Fish Glue, Isinglass, Sturgeon Glue)
これに関しては、実際使った事は無いのであまり書けず。
ラビット・スキン・グルーより粘度が低く、固形化しない為、
木に木以外の物を接着するときに使用。ただし、あの
キャビアを取るチョウザメの膀胱から作られる為、とても
値段が高い。
*タイトボンド社リクイッド・ハイド・グルー
(Titebond Liquid Hide Glue)
アメリカのタイトボンド社から出ている物。普通は暖めて
液化する膠が常温でボトルの中に液化状態。そのため、
どこでもその場で使用可能。硬化し始めるまでの時間が、
膠に較べると長いので複雑な接合などに使用。
*壁紙糊(Wheat paste)
要は澱粉糊。日本の障子紙の糊と同じ物だと思う。
カードテーブルなどの天板部にフェルトを張るときに使用。
PVAc系
*酢酸ビニル樹脂エマルジョン(PVAc(Polyvinyl-acetate))
一般に木工ボンドといわれる物。イギリスでホワイト・グルー
と呼べばこれを指す。膠よりは耐水性が高いので、部材
の破損部などに使用。
有機系
*タイトボンド社オリジナル・ウッド・グルー
(Titebond Original Wood Glue)
(脂肪族系樹脂エマルジョン(Aliphatic Resin Emulsion))
脂肪化合物とは有機化合物の一種でアルカン、アルケン、
アルキン、あるいは、その環状化合物などをいう、とある
のだがもう少し理解が必要。使用は上に同じ。
シアノアクリレート系
*アロンアルファ、瞬間接着剤
削り取る意外除去出来ない為、あまり修復には向いて
いない、が、家具表面に触りたくない場合(金箔張りなど)
等、特殊な場合に使用。
ポリマー系
*パラロイドB72(Paraloid B72)
ポリマー樹脂なのだが無色透明、時間がたっても
変色せず熱、酸、水、アルコールに強くアセトンやエタノール
に溶解。この特性から修復界では広く使用されている。
主に、剥離しがかっている塗装面やジェッソ(Gesso、
箔張りの際の下地)等の強化に使用。木以外の物に対し
接着剤としても使用すること有り。
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