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2008/03/31

High-back Caned Chair

ハイバック・ケーント・チェアー

Cane_chair_3  

良く日本のアンティーク家具屋さんで見かける、フレームに
植物等の彫刻がある、ほぼ黒に近い濃い目のオーク製の
籐張りの椅子。ヴィクトリアン時代のゴシック・リバイバルの
一番簡略化、廉価ヴァージョンとでも言うのでしょうか。

そもそもこのデザインは、17世紀後半のクロムウェルの
共和制後の1660年からのチャールズ2世、ジェームス2世、
そしてその後のウィリアム・アンド・メアリー期までからの
物。

材はウォルナット。クロムウェルの時代、フランスに亡命
していたチャールズ2世は、芸術にも関心が高く、ヨーロッパ
大陸の流行を、同時に職人達と共にイギリスに持ち込みます。

特に籐張りはインドからの物。1600年の東インド会社の
設立により多くの、アジアの物がヨーロッパに持ち込まれ
るようになる(もちろん逆も然り)。籐張りの椅子が流行り
だしたのは1660年代の事。

木の座面から、やっと張物の椅子が普通になったが、今
のようにスプレー吹いて除菌なんてのなかった時代、椅子
の張物は昔の文献によると埃と虫と蛾の巣窟だったようだ。
それに較べると、清潔な籐張り、さらに1666年のロンドンの
大火災がさらに拍車を掛けた。

ロンドンの3分の4が火災で焼けたと言う。家も無ければ、
家具も無い。その頃普通の椅子と言えば、オーク製で重い。
それに較べ、ウォルナット製の籐張りの椅子は軽く、持ち
運びも楽。さらに、張物の椅子より手間がかからない。と言う
わけで一挙に裕福層の流行となる。

上の椅子は1685年頃の物。世紀末に向け、椅子の背もたれ
は高く、幅は狭く、籐張りの籐はさらに細くなっていく。足は、
ブラガンザ脚(Braganza Feet)と呼ばれる形で、チャールズ2世
の王妃の名前から取られている。弓の形をした正面の貫の
意匠は背もたれの一番上の彫刻と類似している。

ウォルナットと言う材は、オークより目が詰まっているので、
オーク材より、彫刻や引き物に向いていて、さらに色が軽やか
なオレンジ色。共和制が終わり、亡命先から帰国したチャールズ
2世が王座に就き、新しい時代の幕開けと共に明るい、軽やか
な感じが好まれたのであろう。  

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