Scotch Glue #2
膠 その2
この21世紀の今でも、古代エジプト時代から家具製作に
使われている膠が家具修復で使用するメインの接着剤。
水可逆性であり、除去するのに水以外のものを使う必要
がないという点が一番の利点である。
しかし、修復において終始、膠を使うわけではない。
膠は木のように多孔性(または浸透性)の高い素材に対
しては、良く接着するものの、多孔性ではないものに対して
の粘着強度は格段落ちる。そのため、油分の強いベニア
や多孔性ではないもの(金属や象牙等)に対しては、
Toothing Planeと呼ばれるかんなを使い表面に満遍なく
傷をつける。
このかんな、普通のかんなより刃の角度が深く、ほぼ
直立している。一見、普通のかんなのようにも見えるが、
刃がツーシングと言うように鋸の刃のようにぎざぎざに
切ってある。
つまりこのかんなを掛けると、大体10本から20本ぐらい
の等間隔の刻み線が木の表面上に引ける、そういった
凸凹を英語では「Key」と呼び、引っ掛ける物と(多分)訳す。
様は、接着面積を大きくし、接着強度を上げようとする試み
なのだが、これがあるのと無いのでは大違い。膠を接着剤
として使ったベニア張りの家具ではかなりの確立でされて
いるので目にする機会もあるのでは。
追伸:家具修復に一般に使う接着剤を紹介しようと書き始めた
のだが、また膠の話になってしまいました、、、、。
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昨日の続き。さて、l'impiallacciatura (つきいた?ベニヤ張り用の薄い板)っていうものは、だいたい1ミリ以上3ミリ以下の(それ以下のものはまず、100歳以下の家具です)木目の綺麗な材で、お化粧を目的としています。
イタリアでもっとも多く使われるインピアッラッチァトゥーラ…やめときましょう…文字数の無駄です…突き板はやっぱり、クルミなんですねえ。他にもニレの根っこや柏、カエデ、オリーヴなんかもありますが。 戦争が嫌いな(戦争の弱い)イ... [続きを読む]
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