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2008/06/05

Dundas Chair

ダンダス・チェアー
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ダンダス・チェアーと暫定的に呼んでいますが、ダンダス卿の発注で
製作された8脚のアームチェアー、4脚のセティのセットの事。
この1764年から、納品された翌年にかけて作られたこのセット、
英国の家具の黄金期と呼ばれるジョージアンの時代の特に著名な
建築家/デザイナーと家具作家/デザイナーの最強の
コラボレーションによって誕生しました。

建築家はロバート・アダム(Robert Adam 1728-92)、家具作家は
トーマス・チッペンデール(Thomas Chippendale 1718-79)。

ロバート・アダムはヨーロッパ大陸からイギリスに新古典主義の波を
もたらした立役者。彼のデザインは、建物だけに及ばず、インテリア、
カラー・スキーム、そして家具までをも含みます。北ロンドンの
ケンウッド・ハウス(Kenwood House)やヒースロー空港に行く途中に
あるオストーリー・パーク(Osterley Park)などで、それを見ることが
出来ます。

トーマス・チッペンデールはイギリスの家具をちょっと齧った人なら
恐らく誰でも知っている名前。彼の「ディレクトリー(Gentleman and
Cabinet Maker's Director)」は最初の家具カタログとして、
イギリス国内、ヨーロッパ、そして遠くアメリカの家具にまで影響を
及ぼしています。

さてその2人のコラボレーション。まあ、コラボレーションと言うよりは
アダムがチッペンデールに顧客の為に自分のデザインした家具の
発注した、と言うのが正しいのでしょうが。

ダンダス卿の父はエジンバラの織物商、18世紀中頃から、裕福な
家庭ではインテリア・デコレーションがステイタス上重要な物に
なって来たのに伴い、財を成し、息子を良家の女性と結婚させ
ロンドン進出を図ります。上の椅子のセットは、そのロンドンの
邸宅の為に発注された物。ブナとウォルナット材の彫刻に
オイル・ギルディングが施されています。張り地は、ダマスク織り。

この椅子に、彼は布地代、張り代を除いた、アームチェアーの
フレームの完成品に20ポンド払っています。この時代の20ポンド、
ある程度の熟練工が月給2ポンドぐらいの時代、彼らの年収弱の
値段の椅子、かなりその当時でも高価だった事が伺えます。

ヴィクトアン・アンド・アルバート博物館にも一脚所蔵されている、
この椅子。18日の「Exceptional Furniture」とタイトルの付いた、
ロンドン・クリスティーズで競売にかけられます。ペアで
予想落札額は3億円から5億円。これが安いのか、高いのか
下見の時に確認してみるのも面白いかもしれません。

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