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2008/06/28

Oak Bedroom Chair

オーク・ベッドルーム・チェアー

Blog1

ヴォイゼー(C.F.A. Voysey 1857-1941 日本語表記ではどんな
文献見てもヴォイジーですね。私の周りのイギリス人の発音聞く
限りはヴォイゼーなのですが、、、。)のデザインした小椅子。

ヴォイゼーはイギリスの19世紀末のアーツ・アンド・クラフト運動
(Arts & Crafts Movement)の代表的な建築家の一人。1857年
生まれの彼は、16歳でカレッジを卒業した後、
ゴシック信仰復興運動の建築家の所で5年以上も修行を積み
ます。その過程で、ゴッシク・リバイバルの建築の中でも有名な、
ロンドンの現国会議事堂を設計・デザインしたピュージン
(A.W.N. Pugin 1812-1852)、イギリスにおけるアーツ・アンド・
クラフト運動の魁となったモリス(William Morris 1834-1896)
の信奉者となります。

イギリスのアーツ・アンド・クラフト運動は大陸のジャポニスムに
続くアール・ヌーヴォーの流れとは一線を画していて、先に述べた
ウィリアム・モリスを中心とした、ヴィクトリアン時代の機械生産
によるマス・プロダクションに対するアンチ・テーゼとしての手作業
の復興運動から始まった物。大陸から影響を全く受けてないとは
言えませんが、サウス・ケンジントン博物館(現ヴィクトリア・アンド・
アルバート博物館)が1900年のパリ万博(エッフェル塔の建った時
です)から30数点のアール・ヌーヴォーの家具を購入した時、
ヴォイゼーは新聞にこんな辛辣なコメントを投書しています。
「アール・ヌーヴォーは全くもって有害で、反感を覚えさせる物だ。」
と。そして、その後のドイツのバウハウスやオーストリアの
セゼッションへと影響を与えることになります。

Blog2

この椅子は1900年前後にデザインされた物。オーク製でとても
シンプルな物。背ずりには、ヴォイゼーが好んで使ったハートの
モチーフが使われています。何故ハートか、はっきりはわかりま
せんが、暖かさ、愛、心地よさ、品質などを意図させるハートの
形は、ヴォイゼーが室内環境に求めた物を象徴しているからと
言われています。

一見シンプルなこの椅子、細部はかなりのこだわりが見られます。
使っているオーク材はメインに柾目。座面部の接合部は基本的
にダボ。しかし、3種類の太さの違う物が使われていて、枠前側から
前脚に対しては3本のダボが、枠横側からか前脚へは2本のダボで
両手を組むように交互にダボが配置されています。背ずりの
真ん中のハートのモチーフのパネルは上下が包み蟻型の欠き接ぎ
が使用されていて、見せる接合になっています。シートはイグサの
織り。結構、簡単な構造なので、私が、そのうち、レプリカを作って
みようと密かに思っている物のうちの1つです。

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