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2008/07/24

Discolouration

ディスカラレーション

退色と訳すこの言葉、家具材の特徴の1つである。何故、退色
するかと言う詳しいメカニズムは、またの機会に譲るとして、一般
に家具の色は、時間と共に変わるものなのである。

理由は色々考えられる。材自体の色素が紫外線によって変化する
場合や家具材の上に施されている塗膜の劣化や退色、または材
の染色に使われている染料自身が退色する場合もある。それに
よって、家具自体がこけた感じになる。退色や劣化と言う現象は
面白くて一般に薄い色の物は濃くなり、濃い色の物は薄くなる。

パイン材などの薄い色の木は濃い色に変わっていき、マホガニー
などの濃い色の材は薄くなっていく。特に南洋材の類、例えば
高級家具材と称されるローズウッド。切った時は濃い紫色だが、
それを外に出して紫外線に晒して置くと、ものの30分ほどで、色が
退色していくのがわかる。

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上はキングウッドのパーケトリーで装飾されたブックケースの側面
の一部。濃い部分はブロンズの装飾飾りで覆われていた部分で、
他の紫外線に晒されていた部分と較べると色がまだ濃い。

しかし、切ったばかりのキングウッドは濃い紫色、今見えている
ような縞模様はまず見えない。だからせっかくパーケトリーで文様
を作ってもあまり見えないはず。それ故に、これを作った家具職人、
キングウッドが時間と共に退色し、飴色の縞模様に変わっていく
のを知っていて作っていると、どうも思われるのである。
もしかすると、実際作り終わった後、直射日光に晒し、色をわざと
退色させてから、納品したかもしれない。そう考えると、何を持って
オリジナルと呼ぶのか、一言で言えなくなってしまう。

、、、、と、そんな事を仕事中に、ふと思いながら作業をしていた。

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