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2008/09/01

直すという事

物を直す仕事をしているが、どんなものにもある程度対応
出来るようになったのはここ最近のような気がする。経験の
積み重ねなのか、はたまた自信というものが芽生えたか、、、。

その昔、日本でやってた頃、トーネットのベントウッド・チェアーの
座面を直したという記憶がない。ネジを締めなおしたり、はがれて
いる積層になっている座面を張り付けたりはしたが、例えば、
座面のべニアの一部が欠損している場合、それを直したという
記憶がない。何十本も直しているわけだから、そんな椅子も一脚
ぐらいあるはずであろうに。

なぜこんなことをふと思ったかというと、先日たまたま1950年代の
Plycraft(プライクラフト社、あのイームズのハーマン・ミラー社の
下請けで有名らしい。)製「チャーナー・チェアー(Cherner Chair)」
のアーム無しを、ちょっと修理したから。アールト、イームズを経て
確立された成型積層合板の技術。トーネットの100年前の思想を
最新の技術を使い更に進化させた形の物。その椅子が高価な
値段で現在取引されているのにはやや疑問を感じるが、未だに
良く出来た、美しい椅子である。

Blog1

この椅子、足の一番太い所で表、裏の表面のウォルナットのベニア
を除いて14層になっている。表裏のべニアを合わせて約一インチ強
の厚さ(2.64cm)。こうやって構造がきちっとわかると、どうやって
直すかが見えてくる。はたして、オリジナルは、そのベニアを張り
付けるのにどんな接着剤を使ったのであろうか?? 膠しかなかった
時代には、強度的に絶対あり得ない椅子である。確かに、トーネット
も世界博覧会の展示用に積層で出来た椅子を作っているが実用
というよりは、デモンストレーション用だったはずである。

積層ベニアのアイデア自体も新しいものではない。18世紀中頃
>には、俗にシルバー・テーブルと呼ばれるテーブルやトレイの
ギャラリーと呼ばれるヘリは必ず3層になっていて、木目が
横縦横の順で強度を出している。そんなものを直した経験が
あるから、トーネットやプライクラフトの積層ベニアでも直すこと
が出来る。

以前、修理をしたいという人と、話したことがあって、その時、一回
きちっとした修復というものをやってみると、何にでも対応出来ると
いうことを伝えたが、はやりその時の言は間違ってなかったと
改めて思った。

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