Oh!! Mahogany Mahogany
嗚呼、マホガニー マホガニー
さて、前回のちょっと続きっぽく始まるのだが、最後の写真で
載せた「100 RARE & EXOTIC Natural Woods VENEERS」の箱。
後日ゆっくり、中を見てみた。
簡単なリーフレットが入っていて、番号を振ったベニアの
説明書きが書いてあるのだが、マホガニーと名の付く木材が
なんと多くあることか。そういうのは大概西洋人が付けた名前
なのだと思うが、、、、。
アフリカン・マホガニー(African Mahogany)、ホンジュラス・
マホガニー(Honduras Mahogany)、インディアン・マホガニー
(Indian Mahogany)、チェリー・マホガニー(Cherry Mahogany)に
ホワイト・マホガニー(White Mahogany)なんてのもある。
加えて、パッと見、マホガニーと言ってもいいような、マコーレ
(Makore)やサペレ(Sapele)なんて木もあって、一言に全部
ひっくるめてマホガニーと呼んで一つの棚に入れているが、
良く見るといろんなのがごちゃごちゃになっているのに気付く。
しかし、この中には18世紀にウォルナットの時代からマホガニー
の時代に変わった時の主役、ジャマイカ産のマホガニーは登場
しない。そもそも、何かを輸入する為の梱包の木箱に使われて
いたのが英国に輸入されたマホガニーの最初、と言う様な話が
あるように現地ではその辺に生えているような木だったらしい。
それが乱伐により減少、1946年以降は輸出を完全にストップして
しまっているのは悲しい話である。
モデラーとして有名な宮本茂紀氏編纂の
「原色インテリア木材ブック」と言う本がある。この中で中南米で
採れるホンジュラス・マホガニーが最も良質とされる、とある。
比重は0.55でかなり軽い。しかし、これは、マホガニーマホガニー
としてヨーロッパ中で重宝された、あのマホガニーではない。
詰まる所、本当のマホガニーと言うのは現代ではもう入手する
ことが出来ない希少な材に他ならない。
「Les bois d'ebenisterie dans le mobilier francais(フランス高級
家具で使われた木材とでも訳すのでしょうか)」と言う本の中で
キューバ産マホガニーの比重は0.73から0.76と、比重0.8前後の
ローズウッドにほぼ匹敵すると明記されている。それ故に、
しっかりしたキューバ産のマホガニーで作られた椅子等はかなり
重く感じるはずである。
それ故に、レストアラーは部材として多くのストックを抱える羽目
になるのである。しかし、抱え過ぎても探す手間が増えたり、
場所の問題が出てくるのだが、しかしそれでも捨てられないん
だろうなあと思ってしまう。
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