トーネットのこだわり
Thonet's Enthusiasm
たまたまあった2種類の、俗に言うカフェベントを較べてみた。
このデザインは、19世紀末にトーネット社がデザインした#221
の発展型だと思われる。背もたれの部分の材のせいで若干重く
なった感じは否めないが、雑多な人に座られる什器としての
椅子として耐久性は上がっている感じはする。
ただし座り心地は抜群に良い!!背中に当たるカーブが何とも
言えない。機能性を高くしても、こだわりは捨てきれない。
右がポーランド製の物。製造者は不明。左が今は亡き
チェコスロバキア製のトーネットのカフェベントである。
ぱっと見はほぼ同じ。
しかし、、、、
右がトーネット、左がポーランド製。
これは右がポーランド製。左がトーネット製。ポーランド製が
足自体のカーブを補うためにやや前に飛び出る形で付いている
のに対し、トーネット製は足自体の曲げ自体で綺麗なカーブが
出ているので足自体は、座面に対してほぼ垂直に付いている。
右がトーネット製。左がポーランド製。後脚を固定しているボルト
に注目。トーネット製のボルトはがっしり大きいうえに、緩むのを
防ぐためにベロが付いているワッシャーを使っている。
この時代は曲げ木に関する特許自体は無効になっているので
一つのデザインで作ると、周りもこぞってコピーしていたと想像
出来る。しかし、トーネットのこだわりまではコピーしきれなかった
様である。
追伸:このカフェベントがいつデザインされたものか知っている
人はご一報ください。
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