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2009/06/18

"Throne Chair"

「王様」椅子

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スローン・チェアーと呼ばれる椅子。

ライオンを型取った肘掛が何とも物々しい。恐らくマハラジャ
の為に作られたと思われる。ローズウッドの構造材に、銀の
シートをハンマーで打ちだし、植物や花などをエンボス加工
した物を、元の躯体に巻き付け銀の釘で留めてある。

良く見ると、シートの重なり、接合部が見えるのだが、パッと
一見すると銀製の椅子にしか見えない。この銀を贅沢に
使った椅子、決して座り心地が良いとは言えないが、見る者を
圧倒させる出来である。でも何故銀なのだろうか??

今でこそ、金、銀、銅と言う呼び方をするが、銀は古代エジプト
の時代から、金より高価なものであった。自然界に砂金として
存在する金と、精錬するのに加工手間をもの凄く要する銀とで
は当然かもしれない。日本でも7世紀には銀製の和同開珎が
作られており、銀が一番高価な金属だったことが伺える。
14世紀初頭に石見銀山が発見されてから、当時の日本は世界
で1,2を争う銀産出国となった。

15世紀以降コロンブスの南アメリカ大陸発見以来、廉価な現地
の奴隷を使っって掘り出された安い銀がヨーロッパに大量に
入って来る(メキシコは最大の銀の産出国)。その結果、
ヨーロッパでは、金と銀の立場が逆転する。需要より供給が多く
なってしまった銀の価格は暴落。そして、その銀が、インド
の香辛料を買うために多くアジアに流れて来る。

お金を扱うところでも、金行ではなく、銀行であるように、銀の
産出量が増えたことにより銀で硬貨を製造することが、まだまだ
主であるアジアの国々では、19世紀の後半頃までは銀が主な
希少金属で有った。そんな経緯を経てマハラジャ達が作らせた
のが銀の椅子である。19世紀前半からほぼ英国の支配下に
あったインドは英国の家具のデザインを多く持ち込まれ、その
影響を強く受けた為、2カ国のデザインの融合とも言える椅子が
こうして誕生した訳である。

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コメント

椅子の馬毛なのですが、加工方法をご存知でしょうか?確か、黒毛を長時間煮るということを何かで見た気がするのですが、よく覚えていません。
煮ればあんな灰色でクルクルになるのでしょうか?

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