Papier-mâché
パピエ・マッシュ
ホー・ホー・バード(Ho ho bird 何故ホーホー鳥何だろう。
日本語の鳳凰、ホーオーが間違って取られてホーホーになったの
ではなかろうか)の彫刻の所が壊れてしまった金箔張り(Gilding)
の鏡。良く見ると鏡の淵のフレームの部分がもげている。
あれれ、と思いつつ、手に取ってみると、中身が無い!
鏡枠のフレーム、中は空洞、裏に厚紙のような物で蓋が
してある。仏像の乾漆を、ふと思い出した。昨夏、国立博物館で
やっていた阿修羅展の阿修羅も確か乾漆で作り。
小さい頃にやった、ふくらました風船に新聞の濡らした紙片を
ぺたぺたと貼り付けて、乾いたら、風船を割って作ったあのお面
(もしくはちょん髷のかつらか)、あれがいわゆるパピエ・マシェで
ある。名前の通り、イギリスに来たのはフランスから1672年に
やってきたようだ。その後イギリスでは独自の方法が確立され、
ヴィクトリアの時代に一大ブームになる。しかし、もとをただせば、
ヨーロッパに伝えられたのは、ペルシアやアジアからのようだ。
そう考えると、乾漆の技法は、中国から日本に伝えられたもので
、技法的には似通っている。この鏡の枠の場合は
サンド・カスティング(Sand Casting)を使ったと思われる。金箔張り
の彫刻と言ったら、ライム(Lime)の木をを掘るものとすっかり
思っていた僕には実に新鮮な驚きであった。確かに
ヴィクトリアの時代にはブームで会った、が、ジョージアンの時代
にもうすでに、こうして使われていたという事実は興味深い。鋳造
(Casting)を使うという事は同じものを幾つも作るのに便利である。
同じ鏡の注文を同時に幾つも受けたかもしれない。
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