EDTA
イーディーティーエイ(エチレンジアミン四酢酸、エデト酸)
示性式 (HOOCCH2)2NCH2CH2N(CH2COOH)2
一般に、家具修復士は昔から鋳造真鍮の金物などの銅の
合金の洗浄に水酸化アンモニウム(Ammonium Hydroxide)を
使ってきた。鈍い茶色になった10円玉に金鳥(KINCHO)の
「サンポール」をかけるとぴかぴかになるのと同じである。
強いアルカリであるアンモニアは銅の錆などを溶解するのと
同時に銅その物をも浸食していく。アンモニアを長く使うと
す等に侵入しクラックの原因にもなる。
最近良く使うのは、エデト酸(EDTA)と呼ばれるものである。
エデト酸はキレート剤(Chelating agent)と呼ばれる物で
カルシウムや鉄、銅などと強く結合する。もともと英語の単語の
「Chelate」はギリシャ語のカニのハサミを意味する「Chele」
から来ている。硬水の中のマグネシウムやカルシウムを
EDTAによって取り除き、軟水にしたり、食料品の保存材など
としても広く使われている。
サンプルの真鍮のパイプをクリーニングしてみた。5%w/vの
水に溶かした物に苛性ソーダ(NaOH)を加えてphを上げた溶液。
右端はその溶液に一時間浸けた物。左端は丸一日。真ん中の
汚れた部分との違いが顕著である。透明な溶液が、銅イオンと
どんどん結びつくにつれて青くなっていく。
目に見える物理と違って、高校生の時いまいちピンとこなかった
化学。こうして目に見える変化であれば、理解度も増す。しかし、
圧倒的に経験値が足りない為いつも、トライ&エラーの繰り返し
になってしまうのが玉に傷。最悪なのはピンクになってしまった
状態。溶接などの後の焼けた状態に良くあるが、そこから古色に
戻すのは至難の業なので注意したい。
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