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2010/09/05

Tumbler Lock

タンブラー錠

錠の発展は、その国の国民内の経済格差の広がりと大きく
関係しているかもしれない。4000年ほど昔のエジプトではすでに
建物(宮殿)の入口には木製の錠が付いていたという。
やはり、外部からの望まれない侵入者を入れない為の物で
あったに違いない。

同様に、ヨーロッパや中国ではかなり昔から家具にも錠という物が
当たり前に付いていた、付ける必要があったという方が正しい
かもしれないが。

イギリスでは機能性だけが追求された15、16世紀の鉄製の錠から、
18世紀の中頃になると、見栄えも気にする外側のケースを金色の
真鍮が使われ出すようになる。

下は、18世紀後半のマホガニー製のゲーム・テーブルの引き出し
の錠。4つのネジで引き出しの前板の裏に付いていた錠。見える
部分は真鍮製でも中のメカニズムの部分は耐久性の高い鉄製。

P1070986

キャップと呼ばれる、錠の蓋の部分が、小さなボルトで留められ
ている。真鍮の板に溝が切ってあって、ナットの代わり。

P1070987

タンブラーと呼ばれるキャップの下の真鍮パーツ。右はじの
板ばねによって、上下に稼働するボルト部分に押しつけられ
ている。真ん中のピンの部部を中心に鍵が回る。ボルトを
押さえつけているタンブラーを押し上げる(写真右方向へ)と同時
に、ボルトを上へ押し上げなければいけない。

P1070992

さらに、錠を真鍮ケースの表側を観ると、ピンの周りに、
フェンス状の物が合った様子が伺える。ウォードと呼ばれる
物で、鍵の先端に切り込みが無いと、このウォードに鍵が
ぶつかって回らないようになっている。しかし、この錠では以前
に合わない鍵で無理に回されたのか、ウォードが全て欠損。

P1070988

P1070991

P1070994

錠はこの頃から、一挙にに多様化する。バロン錠やブラマー錠。
今のカギの原型であるチャッブ錠、イエール錠とビクトリアの時代
にはほぼ出揃っていた。鍵の紛失は良くある事で、新しい鍵の
制作は家具修復では良くある事。それでも、作った鍵で錠が
閉まった時は嬉しいものである。

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