家具道具室内史学会誌 第2号
"Journal of the Japan Society for the History of Interiors,
Furniture and Tools Vol. 02"
2008年に発足した、家具道具室内史学会の学会誌第2号。
特集は「屏風」。115ページ。日本語。
屏風は家具中でも一番馴染みのない家具かもしれない。今の
一般の家の中で使うとも思えない。しかし、客観的に考えれば、
西洋の額に入った絵画に比べて、折りたたみが出来て、持ち運び、
収納が便利で、TPOに合わせて出したりしまったり出来る優れ物
である。
イギリスだと、コロマンデル・ラッカーと呼ばれる彫漆のスクリーン
(屏風)が有名。コロマンデルはインドの港の名前。そこから輸出
されるのでそのような名前が付いたと言われている。もともとは
中国製の物。イギリスの家具にそのようなスクリーン(屏風)は
あまり出てこない。出てくるのはせいぜい暖炉の前に置く
ファイア・スクリーンぐらいか。
面白いのは、屏風(特に金屏風)が外交上の献上品として、多く
作られたという事。中国や朝鮮、さてはオランダ、バチカン、
イギリスまで。あまり現存しないのが難点だが、屏風と言うスタイル
が国外の人々に認められたという事なのであろう。
第3号はどうやら家具の修復が特集らしいので楽しみである。
もっと興味のある人は↓
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