« Highest hammer price!! | トップページ | e-book »

2010/12/23

「TWENTIETH-CENTURY FURNITURE」

「20世紀の家具」

P1080465

以前、このブログでレヴューを書いた事がある
「VICTORIAN FURNITURE」の続編にあたるこの本。

「家具素材、家具製造と家具市場」と副題にあるように、20世紀の
家具と言う物を素材の発展から、製造する立場から、そして売る側
から考察してみた、ある意味異色の一冊。

普通だと20世紀の家具と言うタイトルが付くと、20世紀は
デザイナーの時代とありきたりな感じになりがちで、デザイン重視
の写真の多い本を想像していまう。本当に字ばっかりのこの本。

19世紀の産業革命による家具製造の機械化と言われると、
ああそうなんだと、納得してしまいそうだが、機械化によって便利に
なったからとか、早くなったからといって製造者が機械をすぐ購入
することはない。機械を買ったことによって、利益が上がると明白に
断言出来る事によって初めて機械化を図るのである。詰まる所、
変化と言う物の動機はいつも利益。それはデザインに明白に表れる。

俗に言うインダストリアル・デザインと言う物は1929年の世界恐慌
を境に物が売れなくなる。機能を変えずに見栄えを変えて購買欲を
高めると言うのがもともとの目的。デザイン主導で走ると、結局は
こけるのは世の常で、製造サイドやマーケティングなどの
バックアップがしっかりしないと続かないと言う事である。良い物だけ
を作り続けても駄目なのである。

昨年(か?)日本にも再進出したイケア(IKEA)。丁度1960年ごろから、
どうしたらコストを下げられるかと言う目的で考え出された
フラットパックの家具。それによって、運搬コストの軽減、職人による
組み上げにかかる労働のカット、それによって安い金額で庶民に
家具を提供出来る優れ物のシステム。その当時はかなりの
家具製造業者が参入していたが、ブランドとしてしっかり確立したの
はイケアのみ。しかし、安くても人を惹き付けるデザインがなければ、
廃れてしまう。イケアのカタログは世界で一番多く発行されている
書籍と言われているぐらい。ここイギリスでは一家に一冊なのです。
それぐらい浸透している。その全ての要素が全て、ない限りイケアは、
イケアとして存続できない。走り続けなくてはいけないのです。

それぐらい20世紀の家具製造は競争で、多くの会社が潰れたり、
合併吸収されたり。そういう側面を教えてくれる一冊です。

Clive D. Edwards著
Manchester University Press発行
1994年
ISBN 0 7190 4067 1

にほんブログ村 インテリアブログ アンティーク・レトロインテリアへ

« Highest hammer price!! | トップページ | e-book »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「TWENTIETH-CENTURY FURNITURE」:

« Highest hammer price!! | トップページ | e-book »

フォト

instagram

2024年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ