Louis XIV's Furniture
ルイ14世のための家具
「Sun King」と自らを称したルイ14世。幼くして王位を継いだ
ブルボン朝最盛期の王様。拡大政策を取ったため絶えず他国
との戦争が絶えず、最終的には、それが財政を蝕んでいく。
その半面文化にも大きく力を注いだ。ベルサイユ宮殿建設や
ゴブラン工房の創設。背の低かった彼がその後、流行させた
ハイヒールやかつらの着用なんてのもある。
ルイ14世のための家具はほとんど残っていない。ゴブラン工房で
作られたほとんどは、その後流行遅れとされ、オークションで
売られてしまったり、良い部分のパーツのみ取られて壊されて
しまったり、、、、、。
きちっとした資料と共に現存している家具の一つに、イギリス、
アニック城にある対のキャビネットがある。(→詳細)
ドメニコ・クッチによって作られたこのキャビネット。数年前の
アニック城改修の際、調査のために、ロンドン・
ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)に持って来られた。
その後、展示の為、ヴェルサイユ宮殿へ。V&Aの調査の結果
修復が必要という結論になり、アニック城のキュレーター、V&A、
ナショナル・トラスト(National Trust)、そしてこれは自分たちの宝
だから返せという思いのヴェルサイユ宮殿この4団体がコミッティ
を作り、さあこの修復を誰に託すかを決定した。
選ばれたのはイギリスがベースのフランス人修復家。V&Aの
ワークショップで修復される事もなく、
BAFRA(英国家具修復家協会)のメンバーでもない一個人が
選ばれた事は、ある意味で驚き。未だ修復と保存の間に
大きな溝があるここイギリス。この出来事は、
レストレーション(Restoration)、
コンサ―ヴェーション(Conseravtion)なんて、区別する必要が
ないじゃん、結局両方必要なんだよってことを改めて認識した
決定でした。
1年半以上もかかった修復も間もなく終わり、今年の4月の1日
からまた、アニック城に展示される予定。見栄えが変わったかと
言うと、多分に殆ど変っていないはず。あるものをあるがままに残す
それが修復保存の基本だったりしますから。
興味があれば→記事(英文)
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