Stuffing
スタッフィング
スタッフィングとは椅子張りの詰め物の事。日本語だと、あんこ
とも言ったりする。
18世紀の椅子張りは、上図のような、木の枠にウェビングと
呼ばれる力布、黄麻布、その上に馬の毛が基本的にスタッフィング
として使われている。19世紀にはいると、スプリングが使われ初め
て、座り心地を気にするようになる。また、スタッフィングとして
使われていた馬毛の安い代替品としてココナッツ・ファイバーが
使われ始める。
ココナッツ・ファイバー、やはり安い代替品だけあって、耐久性に
難がある。上はヴィクトリアンのダイニング・チェアーの
スタッフィング。本来、ココナッツ・ファイバーがあるべき所なのに、
真ん中の所のファイバーが全て、ボキボキに折った茹でる前の
素麺みたいになっていて、無くなっていた(下に落ちていた)。
紐でかしめて土手を作ってある周りの部分は見事に残っている。
さすがに馬毛はこうはならない。ペチャンコになった馬毛は
カーディングと言う工程を経てまた再利用する事が出来る。
少し前に、某大手家具メーカーが売った皮のソファに座った人達が
軽い炎症を起こした事があり、結構大事になった。中国で作られた
このソファ。皮を染めるプロセスで使用された化学薬品がどうやら
引き起こしたらしい。最近のシック・ハウスと同じでその椅子を
使っているせいで花粉症のような症状がでたりすることもある
らしい。
今日のスタッフィングは、主にフォームで、色々な硬さが選べる。
硬さの違うのを重ね合わせたりするのも珍しい事ではない。
耐久性はと言えば、ココナッツ・ファイバーよりはいいものの、
へたったら元に戻すことは出来ない。そしてその接着に使うボンド
が結構問題になっていたりする。そう考えると、相変わらず馬毛
が一番良いのではないかと思える。(ただ、馬毛のアレルギーな
人は救われないが、、、)
ただここイギリスで手に入る馬毛も、中国産だったりするのである。
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いつも勉強させていただいております。
カーディングとはどのような作業なのでしょう。
また馬毛もクルクルなおかつ灰色がかっていますが
元は黒毛の直毛、どのような加工であのようになるのでしょうか
煮る等と聞いた事が有るのですが?
教えていただけると大変ありがたいです。
投稿: amsuzu | 2011/05/28 11:30
「馬毛」と称して1つブログを書いて見ました。あんな感じで、回答になっているでしょうか??
投稿: quilastudio | 2011/06/15 22:13