Engraving
彫版
「エングレーヴィング」
聞きなれない言葉である。
テニスのウインブルドンの決勝。もうすでにどちらが勝つか、
ほぼ100%わかった時に、彫版士と呼ばれる人が、銀の
優勝カップにその年の勝者の名前を彫っていく、、、、。
あの金属に、文字や模様を刻んでいくのがエングレーヴィング
である。
家具修復では主にブール・マルケトリーにしか使われない技法。
真鍮と鼈甲を使った表面装飾の方法であるブール・マルケトリー
は17世紀頃から始まったとされる。
上のように、真鍮による植物の唐草模様にラインを入れていく。
2次元の平面の装飾だったマルケトリーに3次元的な奥行きを
与える。これがあるのと、ないのでは大きく見栄えが違う。
グレイヴァーと呼ばれる、金属に刻みを入れる鑿のような道具。
切ると言うよりは、掻き取っていく感じ。硬い金属を掻き取る訳
だから力を入れつつ、ゆっくり、書きたい線を一挙に削っていく。
途中で止まると、綺麗な曲線がギザギザになってしまう。
線を刻んでいくのは、四角のグレイヴァーを斜め45度に削っていく。
正面から見ると、菱形が縦長に見える。力の入れ具合、角度。。
銅や銀は軟いが、銅と亜鉛の合金である真鍮は意外に固い。
何回か刻むたびに、面を軽くといでエッジを付けなければいけない。
一度基本を覚えると、あとは練習のみと言われた、、、、、、。
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