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2011/12/15

Moulding

モールディング - 型を取る

手に職系の仕事のせいか、個の考え方のせいか、オリジナル
から型を取って複製を作ると言う行為を、何故か、疎んじていた。

あまりにも、お手軽が故に、アンディ・ウォーホールが、
シルク・スクリーンでアートを大量生産したように、同じものが
二つとないアンティークは作り出せないと思っていた。

しかし、良く家具史を見ると、金箔張りの額縁の装飾や真鍮の
象嵌細工なんかでは、その手の繰り返し作業が使われる。
古い物を、同じ手法を使って直すのが修復だとすれば、型を取る
と言う事も1つのオプションになる。

一番有用なのは、ヴィクトリアンの時期に流行ったコンポジション
を使った縁の装飾。コンポジションは可塑剤として亜麻仁油が
使われているので時間が経つにつれ、油分が乾燥し収縮する
ことによって、額の木部との接着に使われている膠が剥離する。
そうやって、部分部分の装飾モールディングが無くなっている
ケースが良くある。

Sconce5

オリジナルは、日本で言う、菓子型のような木製の型に、柔らかく
したコンポジションを押し込んで作るが、その数個の紛失した部分
の為に、木型を彫ると言うのは採算が合わないので、そこで使うの
が文明の利器。20世紀の発明。

一般に使うのは、ゴム系の物とシリコン系の物。

Sam_1964

ゴム系で作ってみる。

Sam_1966

シリコン系の物。

Sam_1967

左は、オリジナルのブロンズのオブジェクト。
右は、その方に樹脂を流し込んだ物。

電子レンジでチンして、その物に注ぐだけで簡単に型が取れる
ゴム系。再利用も出来るので経済的。しかし、柔らかすぎるので
プラスターで補強を作る必要がある時もある。

シリコン系は大概二液製で混ぜて、しばらくすると固まる。物に
よっては柔らかいし、耐熱性に高いので金属だって流し込める。
その代り、一回限りの使用でゴム系に比べると高めの値段。

臨機応変に使い分けるのだが、表面の粗さの違いはややある
物の復原性はかなり高い。ただ種類がかなりあるので、どれが
使い勝手がいいかは使ってみないとわからないと言うのが現実
か。本当にどれがいいんだろ??

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