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2012/05/17

Good job!!

イイ仕事!!

Sam_3037

18世紀後半のマホガニー製のシェラトン・スタイルの椅子張りを
剥く。220歳ぐらいだろうか。何度、貼り替えられたか
わからないぐらいの無数のタック(椅子張り用の小釘)の穴。

しかし、

穴は全て、細かいおがくずと膠を混ぜたもので埋めてある。
一番目立ちやすい椅子枠の下側にはカリコ(コットン布)で布張り。
角の脚との接合部にも布が被せてある。恐らく下には埋め木を
したり、ダボが打ってあったりしてあるに違いない。

Sam_3047

キチッと木枠が直してある上にウェビング(力布)。
その上にヘシアン(黄麻布、荒い)が。
その上に馬毛を置き、またヘシアン。
周りをタックで留めた後、まずは真ん中に渦巻き状の縫い。
馬毛をずれなくする為の物。

そこからエッジの縫い。どうも、今はフレンチ・ステッチと呼ばれて
いるようだ。それが3回、ぎゅっと絞ってきちっとした角を作る。

その昔、これはイングリッシュ・ステッチとフランスで呼ばれていた
ようで、それまでのフランスの張り方は、あんこを詰めに詰め
まくったブワーンとしたおまんじゅうのような椅子張り。詰め物が
多ければ多いほど座り心地が良かった??らしい。

それに対してイギリスの張りは、いたって薄い物。硬いマットレスが
好きな人と分厚いフカフカが好きな人との違いみたいなものだろうか。
こういう所に国民性が出て中々面白い。

フランス革命後、フランスではイングリッシュ・ステッチが流行り、
19世紀初頭のフランスの椅子は角角。エッジが尖がってる!!

それに対し椅子張りにばねを使い始めたイギリス、座面は丸みを
帯びる。その後、イングリッシュ・ステッチがまたフランスから再輸入
されて、フレンチ・ステッチとどうも呼ばれるようになったようだ。

本当に椅子張りは力仕事。男の仕事。椅子を修復する為に
張りを剥がした際に、見えない所にいい仕事がしてあるのを見ると
ああ、真似しなきゃな、と思ってしまう。そしてまた何十年後に
同じ事が起こると、修復士冥利に尽きるってもんですね。

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