Wood Sample
家具材サンプル集
時々こういう物を作ったりする。
家具材は基本的には、そこの地域に生えている物が使われる。
物流を考えると当たり前の話だが、何でもオンラインで買えて
しまう今日この頃。ついついこういう当たり前の事を忘れがちに
なってしまう。
ヨーロッパでも大航海時代が始まるまでは、オークや楡、ブナ
なんかが家具材の主流であったが、船で海を渡るようになって
黒檀やスネーク・ウッドなんかの珍しい材が輸入されるように
なる。イギリスのキャビネット・メーカー(Cabinet Maker)にあたる
言葉をフランスではエベニスト(Ébéniste)と呼ぶ。エベネは
黒檀の事で、黒檀を働く人=家具を作る人になったそうだ。
それぐらい、輸入材がヨーロッパに来るようになってから、家具
の流行は材によって決まるといっても良いぐらい。ロンドンの
大火事以降のヨーロッパからのウォルナットの、黒檀との
組み合わせで時たま、スネーク・ウッドなんてのも見る。
フランスのウォルナットの輸出停止を、機会にマホガニーが一躍
家具材のトップに躍り出る。最初の頃は安い材で、こん頃の家具
はベニアなんてセコイ事を言わず無垢材がバンバン使われてい
る。
そこに課税に戦争に過伐採で品薄になると当然の価格上昇。
ベニアで使うのが主になると同時に他の様々な色のベニアが
家具の表面を絵画の様に飾る。この頃はありとあらゆる材が
使われる。キングウッドにチューリップウッドにオリーブに
リグナム・バイタまで、まさに何でも。
そのせいか、サテンウッドの淡白な色を使った家具や塗装を
施された物が一時期一世を風靡したかと思うと、今度は一転して
カラマンダー(黒檀の一つ)やローズウッドのコントラストが特徴
な物へ。
ビクトリアの時代になると、リバイバルの嵐で材だけ見ても時代
の決め手にはならない。しいて言えばその後のアール・デコの
時期に盛んに使われたウェンジ。材を見れば、時代が見えたり
作られた国が見えたりする。手に入らないものも多いのが玉に
傷だが。
ピッチパインや、オリーブ、プレーンなんてのが見える。
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