Chesse Coaster
チーズ・コースター

このチーズ・コースターと呼ばれる家具。卓上サイズで、下に
真鍮製のキャスターがついている。ジョージアンの時代の後期
頃にしか作られてないようであまり見る事のない一品である。
別名、スティルトン・コースター(スタンド)とも呼ばれるこの台。
一見すると、何に使うのか全く見当がつかないが、
チーズ・コースターと言われると、嗚呼と納得してしまう。

質のいいマホガニー材を使い、ベースの部分の構造は蟻ホゾで
組んである。台の部分は仕切りで広い方と狭い方に分かれて
いる。

台の曲面の部分は3mm程の無垢のマホガニーの薄板を曲げて、
前板後板に欠いてある溝の部分に差し込んで固定してある。

真鍮製のキャスターは出来が良いく、恐らくオリジナルの物に違い
ない。
スティルトンと言うのはイギリス名産のブル・ーチーズ。
フランスのロックフォール、イタリアのゴルゴンゾーラと並んで、
3大ブルー・チーズの一つに数えられる一品で、円筒状の形を
していて、これを縦にコースターに入れて、ゲストに出し、甘い
ポート・ワインと共に食したのだろう。
まだまだ、この頃スティルトンは高価な物だったようである。
銀製のコーヒーポット、お茶にまつわる物(トリポット・テーブル、
ケトル・スタンドやティー・キャディ等)などと同じで、上流階級で
人気を博すようになると、それの為に家具が発注される。そして、
その後人気が薄れると、
「これは、一体何に使うのだろう?」
、と言う事がいつの時代でも起こるに違いない。
「これは、一体何に使うのだろう?」
、と言う事がいつの時代でも起こるに違いない。
« Jacob & Josef Kohn | トップページ | Furniture: making and meaning »
« Jacob & Josef Kohn | トップページ | Furniture: making and meaning »
コメント