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2013/08/15

Cantilever Chair

カンチリーバーの椅子

先日、友人の所で座らせてもらった椅子はカンチリーバーの
椅子だった。

カンチリーバーとは建築用語で片持ち梁の事で、家具では、
俗に後ろ足の無い(前足のみで座を支える)椅子を指す。

従来の木製の椅子では実現不可能だったカンチリーバー方式。
鉄の合金を使ったパイプを曲げることによって実現しいたのが
1926年にオランダの建築家マルト・スタムによってデザイン
された"S33"。

Front_images_5000_thonet_stuhl__s_3
今、見ても美しいデザイン。

これを元に、バウハウスのマルセル・ブロイヤーの
鉄パイプ製のカンチリーバーが続き、30年代にはアアルトの合板
によるカンチリーバー方式の椅子が実現。

日本でも、ほぼ同時期に形而工房がパイプ製の
カンチリーバー方式を紹介している。

Img
良い意味でのカルチャー・ショックだったこの椅子。

座り心地がまるで宙に浮いているような感覚。鉄パイプ製には
再現出来ないだろう。日本のデザインで、なんと竹製である。
竹製というとペリアン女史の寝椅子が有名だが、これはそれ
以前のデザイン。ペリアン女史も日本に来て目にしたかも
知れない。

デザインは城所右文次。

三越家具設計室に在籍していたデザイナー。

背中の細い部分は無垢だが、メインのフレームは薄い竹材8枚
を張り合わせて作られている。まさに、アアルトの合板のアイデア
である。確か、カゼイン系の接着剤が使われていたはずである。
それに反し、初期のブロイヤーの合板の寝椅子にはまだ膠が
使われていた。

果たしてこの竹製の合板、接着剤は何を使ったのであろうか?

修復士の観点から見ると、竹という素材は扱い難い。接着剤の
選択や着色方法。壊れたパーツは作り直ししかないのではない
かと思う。それでも、この椅子の座り心地は次世代に伝え続けて
いかなければならないと思う。






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