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2013/09/12

故灰野昭郎氏

Late Mr. Akio Haino

ここ最近、灰野昭郎氏の著作を立て続けに読んだ。

Dscf1735

左から、

美術館へ行こうシリーズ 漆の器を知る 新潮社

日本の意匠 蒔絵を愉しむ 岩波新書

近世の蒔絵 漆器はなぜジャパンと呼ばれたか 中公新書

海外に流失している漆工芸品を見て、興味を持ち始めた
せいか桃山、南蛮漆器以降からしかあまり知らず、偏った
知識を是正しようと漆工芸に関する一般書を購入しようと
思いたった、
が、意外にその手の本があまり存在しない。

そうして、巡り合ったのが一連の灰野氏の著作。

被る話が時々あるが、漆工の長い歴史を掻い摘むには最良で
尚且つ、興味深い話が多い。

今日(いまびはと呼んで欲しい)は、普段の生活にすら漆器と
の接点がほぼ無くなっている。食卓で唯一見るのが、汁椀の
プラスチック胎の擬きだけ。

漆産業に関わってきた家の出身の友人によれば、今は仕事が
無いと言う。

それじゃあ、産業自体は下がっていくに決まっている。

しかし、海外の美術館、博物館、個人のコレクションなどに収蔵
されるとんでもない量の漆工芸品を目の当たりにすると、
その凄さに息をのむ。

蒔絵が海外を魅了した

とは、輸出漆器を語るときによく言われることだが、個人的には
これには異を唱えたい。
ポルトガル人が魅了されたのは輝く黒ではないか、そして
それに螺鈿。16世紀は、まだまだ銀の時代。金よりも、銀の方
が価値が高かった。

さらに、カラフルなルネッサンス後の白黒の
時代で黒が持てはやされた。17世紀のヨーロッパ家具の流行の
黒檀の黒は漆の黒の模倣から来ていると思う。

あの漆器の艶は、その当時のヨーロッパでは絶世の物だった
に違いない。

蝋燭の明かりに輝く黒。

漆の凄さを再確認。


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