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2013/09/15

Wellington Chest

ウェリントン・チェスト

ウェリントン・チェストと呼ばれるチェストがある。
いまでこそ、インダストリアル系でよくある、金属の
ファイリング・チェストの様な多引き出し型のキャビネット。

Dscf1693

これは、上から見ると、7つの引き出しがあるのがわかる。
素材はウォルナットのべニアに、マホガニーの挽物のハンドル。
個々の引き出しには錠はついていない。

このウェリントン・チェストの名前は、19世紀初頭の現ベルギー
であったワーテルローの戦いでナポレオンを破った
ウェリントン卿から来ている。この時の、彼の名声と人気は
絶大だったらしく、彼の名を関したものがいくつか存在する。

卿は軍人である。その為、この形の家具はもともと
キャンペーン・ファニチャーと呼ばれる従軍家具としてデザイン
されたもの。つまり持ち運ばれ、戦場を転々とするもので
あった。

その為、簡潔、シンプルな四角い箱型が基本で、おそらく書類、
小物類を入れるために多くの引き出しが組み込まれたとされる
が、実際、卿がこのタイプの家具をワーテルローの戦いに
持ち込んでいたかは定かではなく、その後エドワーディアン期
まで作り続けられたこの形は、もう少しコマーシャル染みた
感じがする。

そして従軍家具だった(?)唯一の名残(特徴)がその引き出しを
開かなくする構造にある。

Dscf1688
家具の右端に鍵穴に鍵。これが、

Dscf1690

その棒状の部分が蝶番で扉の様に開くと、引き出しが引き出せる。
つまり、普段は引き出しの端が棒状の部分に抑えられ出ないよう
になっている。

持ち運ばれる運命である従軍家具。運ばれている途中に、中の
荷物をぶちまけないようにシンプルな構造で、引き出しが出ない
ようになっている。

もともと1830年頃からその名で呼ばれるようになったというが、
初期の物は外も、中もマホガニー製で黒檀の挽物ハンドルが
付けられ、錠はあのブラマー製。のちに、メープルやウォルナット
などに彫刻のパーツが付いたものが作られるようになる。

サイズ的には今の家に会うような小ぶりな家具。しかし意外に
アンティーク市場で見ないのはどうしてだろう??

ウェリントン・チェスト全体像はグーグルで画像検索すれば一発
なのでそちらでどうぞ。いたって代わり映えしないこのチェストの
画像が一杯出てくるはず。




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