Lignum Vitae
リグナムバイタ
ちょっと、この木を家具材として紹介するには無理があるかもし
れない。
恐らく、一番比重が重い木。水に沈む木はそんなに多くない。
家具材でよく出てくるのでは、黒檀、キングウッドに
スネークウッド。そしてこの、リグナムバイタ。
家具材としてはほとんど出会ったことが無い。唯一見たことが
あるのは18世紀の天板の皮が貼ってある机の
クロスバンディングの装飾がリグナムバイタのベニヤだったの
ぐらい。
切ったときは、緑がかった色が、日光に照らし続けられると、
写真をよく見るとわかるが、目の向きが一様ではなく、鉋泣かせ
の木である。
ヨーロッパには、中南米からの輸入品。16世紀にはもう使われ
ていたようだ。一番の使い方は、擂粉木と鉢。固いだけではなく
油分を多く含むことからの、有用に違いない。水分に対して強い!
実際、鋸で切ると意外に、あっさり切れる。含まれる油分が
潤滑油の役割をしていると言う訳である。その代わり、
サンディング・ペーパーで削ると、すぐに目詰まりを起こすが、、。
18世紀のクロノメーター制作でもこのリグナムバイタは、中の
部品を作るのに重宝されたようだ。当時の質の悪い潤滑油より
は潤滑油フリーのリグナムバイタである。その証拠に、そののち
船舶ではプリペラを回すシャフトに多く使われている。
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