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2013/12/27

Scagliola Coloum

スカリオラの柱

359765_3

いまだに、美術館などの公共の建物に行くと見かける
マーブル製の大きな柱。よく見ると、触ってみると、大概は偽物
なのに気付く。このほとんどがスカリオラで出来ている。

イタリアでそのリバイバルの技術が確立し、その周りの地域へ
と瞬く間に伝播した。実際のマーブルを使うと、コストだけでなく、
サイズや色などの様々な制限がつく。ある意味で無制限の
可能性を持つスカリオラが建築上の装飾へ多く使われたのは
自然の流れであった。

Dscf1979

写真は2mちょっとのスカリオラの柱の断面であるが、構造は
もっと大きなものとさほど違いはないのが想像出来る。

上から下までの長方形の細長い4枚で芯の部分を作り、そこに
いくつかの円の部分を作る。恐らく、上と下、その間は30㎝間隔
程で円の部分が作られたのではないかと思う。

Dscf1980

そこに、日本の漆喰の壁を作る時などに使う木摺(きずり)に
相当する長い角材を上から下まで跨ぐように置き、釘で固定。

少しづつの間隔をあけ、円にぐるりと打ちつける。これで、石膏が
ベースのスカリオラとの接着面積が広がり、固着が良くなる。

Dscf1984

本当によく出来ていて、石膏の部分を見なければ、マーブルと
思ってしまうに違いない。細かいあらバスターの様な石も使われ
ていて、現実味をさらに持たしている。

1920年ぐらいまで、欧米で続いたスカリオラの技術は近代化の
波に押され、廃れていく。それがまた復活してきたのは
1970年代から。何かの折に、建造物のスカリオラの柱を修復を
する必要に駆られたからのようだ。

今の時代のように、経済(お金)が主導の世の中では、得てして、
手間のかかる仕事、儲からない仕事は軽視されがちである。が、
いざ気づいた時に取り返しのならないことに、二度と失われてし
まわないように、どこかに、何かしらのセーフガードを作る必要
があるのではないかと。

特に、自分の属する保存修復と言う業界は、尚更ではないかと。
でないと、10年後、20年後、本当にその技術は失われてしまう
かもしれないと切に思う。



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