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2014/05/03

"Baroque Furniture in the Boulle Technique"

「バロック家具におけるブール技法」

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知らない人にはタイトルを見てもなんのこっちゃですが、、、。

ルネサンス期後に始まった美術、建築などにおける様式とでも
言えばいいのか、ちょうど日本では戦国時代、江戸時代と言う
感じでしょうか。

ブールと言うのは人の名前、ルイ14世に仕えた王室御用達の
家具作家。そのブールが得意だったのがブール・マルケトリーと
言われる真鍮と鼈甲のコンビネーションのマルケトリー。

ざーっと、ブール・マルケトリーで検索してみても国内の骨董家具
屋さんのストックではヒットしないので、恐らく日本ではあまり見る
ことが出来ない類の物だと思ます。

そもそも、このブール・マルケトリーは日本の蒔絵をから
インスピレーションを得て考えられたコンビネーション。黒漆の
バックグラウンドに金の蒔絵。この光沢を再現するために敢えて
鼈甲を使い裏側を黒くして黒漆を、金の代わりには真鍮で代用。

そんな訳で、本物を知っている日本人にはちょっと派手すぎて
あまり好みじゃない感じなので、骨董商の方も仕入れ時には
ちょっと手が出ないのかもしれません。

その当時のヨーロッパの流行にバシッと填まったもう一つに中国
や有田の青白の陶磁器があります。そのコレクションを置く部屋
の家具にもこんな装飾が施されたりします。
(J・ポール・ゲッティ美術館より)

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白は象牙、青は牛の角を薄くした物の後ろに青い顔料を施した
もの。つまり青と白です。その頃の日本や中国の影響はバカに
出来ないのです。


本自体は、ドイツ、ミュンヘンにあるバイエルン国立博物館
行われた展覧会にあわせたシンポジウムの紀要集。

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第1部は博物館のコレクションにある家具作家
Johann Puchwiserによって作られたブール・マルケトリーで
装飾された机のコンサーベーションに関する物。技法、歴史、
分析と多岐にわたり、今の博物館の役割と言う物を感じさせ
ます。

公的な機関とはいえ、予算はピンときり。このプロジェクトも
ゲッティからの基金があって実現しているので、プライベートの
工房でここまでするのは当然無理。しかし、プロフェッショナルで
ある以上やはり最新のトレンドには敏感にならねばと思う今日
この頃。

第2部は世界中からブール・マルケトリーで装飾された家具を
コレクションに持つ公的な美術館、博物館等からの修復報告や
今までどう修復されてきたか。

このオーガニックと非オーガニックの素材の組み合わせは、
斬新な視覚的効果を産みだすと同時に、素材の性質の違いに
よる予想できないリスクを含んでいる。大概の場合は、湿度に
無頓着な金属が、過敏な木材や鼈甲の置き去りにしてしまう
(剥落してしまう)。さらに金属研磨剤や不注意な取り扱いが
さらに状態を悪くする。
恐らくこの辺が日本のアンティーク・ディーラーさんが手を
出さない理由かもしれない。

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