Kantharos
カンタロス杯
古代ローマ・ギリシャで使われていた陶器の中にカンタロス杯と
呼ばれる形のものがある。
この形は葡萄酒(ワイン)の物。左右の高い取っ手が特徴。
このギリシア語の「カンタロス」と言う言葉、コガネムシを意味
するそうだ。
素材は、テラコッタ(Terra Cotta)。その上に黒の釉薬。
呼ばれる形のものがある。
この形は葡萄酒(ワイン)の物。左右の高い取っ手が特徴。
このギリシア語の「カンタロス」と言う言葉、コガネムシを意味
するそうだ。
素材は、テラコッタ(Terra Cotta)。その上に黒の釉薬。
古代ギリシアのボイオーティア地方で作られたものに良く似て
いる。
上はイギリスのレディング大学所有の物。黒い釉薬の上に白で
絵が描いてある。紀元前450年頃の物。
次の物は釉薬の程度がいい。アメリカ、コロラド大学所有の
カンタロス杯。脚の中央に同じように2重リングの装飾がみえる。
いる。
上はイギリスのレディング大学所有の物。黒い釉薬の上に白で
絵が描いてある。紀元前450年頃の物。
次の物は釉薬の程度がいい。アメリカ、コロラド大学所有の
カンタロス杯。脚の中央に同じように2重リングの装飾がみえる。
御想像の通り、取って(アーム)の部分が壊れて工房へやって来た。
壊れた接合の部分には何種類かの接着剤の跡。
壊れた接合の部分には何種類かの接着剤の跡。
一度目は膠で、二度目はその膠をきちんとクリーニングせずに
エポキシ系で接着してあったようだ。
剥離剤や、ウォーター・ジェルで接着剤を取り除き、アルコール、
アセトンで表面を綺麗にする。
エポキシ系で接着してあったようだ。
剥離剤や、ウォーター・ジェルで接着剤を取り除き、アルコール、
アセトンで表面を綺麗にする。
テラコッタの場合、パラロイド72をアセトンで希釈したものを使う
のだが意外に欠損部が接着面に多いのでエポキシ系の接着剤
を使用。
釉薬が剥がれないことを確認して細く切ったマスキングテープで
固定。
その後に、ミリパットと呼ばれるエポキシ系の充填剤で欠損部を
補って仕上げた。
のだが意外に欠損部が接着面に多いのでエポキシ系の接着剤
を使用。
釉薬が剥がれないことを確認して細く切ったマスキングテープで
固定。
その後に、ミリパットと呼ばれるエポキシ系の充填剤で欠損部を
補って仕上げた。
丸い壺と言うのは、直すのが難しいという。
丸と言う形が、内部の微妙な張力を旨くバランスを取っているのだが、
壊れることによって、そのバランスが崩れる。そうすると、直す時に
うまく元の丸に戻らないのそうだ。
まだまだ奥が深い修復の世界である。
丸と言う形が、内部の微妙な張力を旨くバランスを取っているのだが、
壊れることによって、そのバランスが崩れる。そうすると、直す時に
うまく元の丸に戻らないのそうだ。
まだまだ奥が深い修復の世界である。
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