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2014/06/10

家具のディテール:チャイニーズ・チェア

Detail of Furniture: Chinese Red Lacquer Chair

Dscf2844

明清時代の椅子と一般的に言われる一脚。

14世紀中頃の明の時代の初めから20世紀初頭の清の時代
の終わりまで、あまりにも大雑把な時代区分ではあるが、中国
の家具史においてはあまりデザインによる明確な違いはない
ようである。

朱漆塗りのこの椅子。シナバー(Cinnabar)と呼ばれる鉱石を
砕いた物を混ぜて作る。科学的には硫化水銀。アートの世界で
はヴァーミリオンと呼ばれる物である。

かなり長い間日当たりの良い所にあったのだろう。漆塗膜が
紫外線によってかなり劣化している。家具の塗膜としては最強の
部類に属する漆の塗膜。酸にもアルカリにも、水分、熱にも
強いが、一度劣化してしまうと、水にさえ溶けてしまう。

恐らく、ウィンザー・チェアのスティック・バックの原型だったで
あろうこの手の中国製の椅子。元の時代に中国絵画がイタリア
のルネッサンスに影響を与えて以来、ヨーロッパは様々な形で
中国の影響を受けてきた。

家具にも言えることで、デザイン的には影響を受けたが、
構造的にはあまり影響を与えなかったらしい、、、、。

Dscf2836

木の座面はフレーム構造。真ん中の部分はかなり薄い板。枠の
内側に溝が切ってあって、板の淵がそこに収まる。

Dscf2842

裏には真ん中にサポートの木が入る。

Dscf2839

スティック・バックの棒はウィンザー・チェアとは違って、上は丸棒、
下はほぞになっている。

座枠の後ろ側は上から、背ずりをスライドさせて入れることになる。

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後ろ脚。腰の部分で丸棒が四角に変わる。この腰の部分に座枠が
座ることになる。

Dscf2853

座板、枠の前側を組んだ後、左右の枠材をほぞに叩きこんでいく。
座枠の両脇には上のように通しほぞが見える。
座枠を組み上げた後、前側の脚を組む。

Dscf2850

最後に前脚の一番上のほぞが座枠のほぞ穴に入り完成。

ちなみにこの材は楡材の一種で作られていると思われる。楡材
はどちらかと言うと、寒い地方に育つ木。中国北部の物で作ら
れた物であろうか。


疑問である。

ヨーロッパの物と比べて何故ここまで構造が違うのだろうか??

出来上がりの構造はほぼ同じ。しかし、構造が圧倒的に違う。
個々に、今答えを明快に提示することは出来ないが、何か
必ず理由があるに違いない。面白いリサーチの素材になること
間違いない。




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