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2014/07/27

Hobbs & Co.

ホブス・アンド・カンパニー

Dscf3073

19世紀中頃の、デスクについていた鍵。

"HOBBS & CO. LONDON LEVER"の刻印が押してあるのが
見える。

日本では、仏教的な倫理観が一般に浸透している為かそれほど
錠という物があまり発達してこなかった。しかし、ここヨーロッパ
では驚くほどの労力をこの錠の発展に注ぎ込まれてきた。

18世紀の終わりから19世紀の初めまでに、ブラマー(Bramah)錠
やチャブ(Chubb)錠が発明され、錠破りはもう無理かと思われた
当時、1851年の世界博覧会でこの2つの鍵を開けたのが
ホブス・アンド・カンパニーの創業者アルフレッド・ホブスである。

Dscf3074_2

俗に言う、家具用のキャビネット錠で、引き出しの前側の板の
裏側にネジ4本で固定されている。

鍵穴に、カギを入れ反時計周りに鍵を回すと、ボルトが上がる。

2本のカバーを止めてあるネジを外すと中の構造が見える。

Dscf3075    

上に見える銀色の長方形の部分がボルト。一番下の横に走る
物がスプリング。真ん中の部分がリーバーと呼ばれるパーツで
ある。

スプリングは下から上に向かって、リーバーを絶えず押し上げ
ている状態にある。

Dscf3079

ここでは4枚のリーバー。スプリングも4本に分かれ、個々の
リーバーを押し上げているのが解る。

Dscf3077

4枚のリーバー。ローマ字の「Ⅰ」のようなスロット部分の真ん中
の縦棒の場所が少しづつ違うのが見える。

つまり、一番下のボルトの部分を含め5枚の板をその高さに
見合った高さで押し上げないと、カギは回らない仕組みに
なっている。

Dscf3082

鍵の先が5つの凸凹になっているのが解るだろうか??

Dscf3081

鍵を反時計回りに90度動かしたところ。

「Ⅰ」の中心に見える角棒が一番下のボルトのパーツに溶接
してある。この角棒が「Ⅰ」の真ん中を通り抜けないとボルトは
上には上がっていかない。
回すと同時に4つのリーバーの「Ⅰ」の縦棒の部分が一直線に
開かないと鍵が回らない。

日本ではイエール(Yale)のピン・タンブラー方式が主流でだが、
未だにこのリーバー・タンブラー方式がここイギリスでは多く
使われている(家具だけではなく家のドアにまで)。

Dscf3114

Dscf3115_2

無くしてしまった鍵を新しく作る場合、重宝するのがこの錠用の鋸。

鍵の先のギザギザはやすりで上手く直角に削ることが出来ない
ので鋸で切る必要がある。この刃厚が普通の糸鋸より厚いこの
鋸では一回のカットで凸凹を決めることが出来る。重宝する一品
である。(ちなみに刃の厚みは1.0㎜から、1.2,1.5,2.0とある。)




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コメント

凄いですね 4LEVER パドルロックでは良く見ますが、家具用では、初めて見ました。
この手の中身を見ると作り手の気合いが良く伝わります。
良い鍵が付いている家具は総じて良い物と家具選びの際に参考にしています。
それでも2LEVERや リバイバルのバックスプリングが良い所。
やはり本場は違うのだと、久振りにわくわくさせていただきました。
また面白い記事をよろしくお願いします。

コメント有難うございます。

錠の専門家の方ですか??

錠は面白いです。私のような家具屋にとっては、どこ国の家具か見分ける目安になったり、
国によって、気合の入れどころが違ったりして面白いのですが、いつでも無くなった鍵を
作るのはチャレンジです。個人的には意外と好きですが、、、。

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