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2014/12/06

Cocus wood

コーカス・ウッド

何でもそうだが、物事がいったん落ち着くと、それをわざわざ変えようとする奇特な人はあまりいない。だが、それが、落ち着いてから、しばらく時が経つと、人の眼は次第に変化を求めるようになるのは人の性なのだろうか。

20世紀の前半にはある程度落ち着いてしまった英国における家具史。それが、90年代に入った頃だろうか、次第にデザイン一辺倒の変革史としてではなく、技術的な面や、商業的な面からの文献が見直しもされ、博物学的な興味の広がりの中で少しずつ新しい発見があった。

家具材においても、今まであまり認知されてこなかったいくつかの材が、当たり前のようにオークションカタログの説明書きに使われるようになった。

その最たるものが、中南米材であるゴンサロ・アルバス(Goncalo Alves)と、このコーカス・ウッド(Cocus wood)である。

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コーカス・ウッドを使った家具の中で一番有名なのが、ウインザー城に所蔵されているキャビネット・オン・スタンド

イギリスで1660年頃に作られたとされるこのキャビネット、チャールズ1世の妻であるヘンリエッタ・マリアのモノグラムが施された銀細工の飾りが付けられている。

その当時から大量にジャマイカから輸入されたコーカス・ウッド。次第に流行に陰りが見え、18世紀の中頃にはすっかり見られなくなってしまう。


別名ジャマイカ(ン)・レイン・ウッド、もしくはグリーン・エボニーと呼ばれたりするマメ科に属するこの木。ラテン名はbrya ebenus。ローズウッドなどと同じ系統下に属するため、想像通り固い木である。が、その割には加工が良い為か、木管楽器の制作の為、多く使われてきた。

そして19世紀に乱獲。今ではユネスコのレッドブック(絶滅危機の恐れのある動植物に関するリスト)さえ載らないほど絶滅してしまったとされている。材として市場に出てくることは稀で、出てきたときにはかなりの高値が予想される。


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カード・テーブルの天板に張られたコーカス・ウッドのべニア。木自体、とても小さく幹の直径は15㎝程。それをべニアにして張るとこうなっていしまう。濃い茶色の心材と薄い黄色の辺材、そのコントラストから昔の文献では、リグナムバイタやキングサリなどの材とされてきた。

材の特定、特に古い家具に使われた材の特定は、いかに現代の科学が進んでも視覚や顕微鏡を使った細胞の比較しか方法がない。それ故に、一度、権威がこれはリグナムバイタですと言ってしまうと、それが通説になってしまっていた。

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そういう意味での、新しい変化と言うのはとても興味深いと思う。まだまだの新しい発見に乞う期待したい。






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