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2015/01/11

洋家具雑考 その3

The beginning of Western Style Furniture in Japan part 3

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実際に実物を見たことはないのだが、神戸の塩原学園服飾資料館に収蔵されているアームチェアである。



背もたれの笠木の部分には鳳凰、そろばんの玉のような挽物の下には鶴。写真では確認しずらいのだが、松や獅子などの和的な意匠が所々に彫刻されたところを見ると、日本製(最悪でも中国製)の洋家具であることは間違いないようだ。


材質は、恐らく日本の国産材に蝋色漆仕上げ(?)。


この椅子の元々の原型は、17世紀後半あたりから、オランダ東インド会社の寄港地があった、南インド、セイロン(現スリランカ)、バタヴィア(現インドネシア)などで作られたとされる物。もともとオランダ人が教会で使用するように注文したようで、無垢の黒檀材が使われている。

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上はロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に収蔵される物。脚、貫、背ずりの挽物にはバーリー・ツイストと呼ばれるネジリン棒の挽物が使われている。座面は籐張り。


写真のキャプションによると、この鳳凰の肘付き椅子、アーサ・トムセン氏からの寄贈されたものだという。彼の恐らく、父もしくは祖父にあたる、アンドレアス・トムセン氏が1885年に創業された日本郵船で1888年から一等航海士として働き始めた事から、神戸の地に家族で住み始めたそうである。


そして、1900年に彼が子息の邸宅として建てた家で使っていたものとされるこの椅子、誰がどこで制作したものなのだろうか??


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神戸市立博物館に再現されている旧トムセン住宅。

18世紀以降、次第に東南アジアにおけるパワー・バランスがイギリスに傾いたこともあって、このタイプの椅子が、地域外に流出することは勿論考えられる。丁度、18世紀後半のゴシック・ブームも手伝って、イギリスでは意外に需要は高かったようだ。だから、日本に来た船の一つの積み荷にこの椅子のオリジナルである黒檀製の椅子が乗っかっていても不思議ではないと思うのだが、、、。







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