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2015/01/18

青と白の飾り板

Blue and White Plaque

英語で「Japannng (ジャパニング)」と呼ばれる言葉が、ヨーロッパで日本の漆装飾を模倣しようとして始まり、発展した事は良く知られている。しかし、いつから始められたのかはあまりはっきりしない。

一番古いジャパニングのオブジェクトと言われるのがサドラーズ・カンパニーの投票箱。このサドラーズ・カンパニーは以前に書いたドレイパーズ・カンパニーと同じリブリー・カンパニーの一つである。サドラーズはサドル、つまり皮革を使い馬具を作る職人のギルド。そこのコレクションに現存する投票箱は、1600年に設立された英国東インド会社で使われるために1610年前後にロンドンで作られたという。

Ballot
その当時、ジャパニングと言う呼び名は無い物の、デザイン的にはアジアの漆器の模倣に間違いなく、その人気の一端を窺い知ることが出来る。文献としては、1655年に出版されたイタリア人
Jesuit Martin Martiniusによるもの、1688年のストーカーとパーカーによる物などがある。


Dsc00037_1
17世紀の終わりごろに作られた、ちょっと変わった装飾を持つキャビネットが存在する。本当に片手で数えられるぐらいしか存在しないのだが、どこの工房で作られたものだろう。

家具の形式は、この当時の輸出漆器の典型、2枚扉のキャビネットであけると幾多の引き出しがあるもの。それを乗せるスタンドは、ヨーロッパ製でその頃は銀箔張りが施されていたと考える。(大概の物はその後金箔張りに変更されている)

朱塗りのジャパン二ングに、青と白でプラークと呼ばれる飾り板が描かれている。

Dsc00049
その周りは南蛮漆器を髣髴とさせる飾り縁に、草木の意匠。

9604red_lacquer_cabinet
似た意匠のキャビネット。此方には飾り縁の装飾は無い。

この青と白の飾り板。この当時流行った中国製の磁器を想像させる。が、中国製にこの変わった形の物は存在しないと言う。

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上の写真は、17世紀後半にオランダ・デルフトで作られた青と白の陶器製の飾り板。もちろんデルフト陶器は始まった16世紀初頭頃から中国から輸入された磁器の模倣を得意としていた。どうやらこのキャビネットのデザインにはこのデルフト飾り板のデザインが使われているようだ。

ジャパニングにしても、デルフトにしてもアジアからの漆器や磁器を模倣して始まったもの。それが、時間が経つにつれて、模倣を超え、また新しい物を作り出す。模倣は創造の母と言う言葉があるように、これがヨーロッパのクラフトマン(職人?)の心意気か。


だが、数点しか現存しない所を見ると、かなりの特注品だったのではないかと想像するが、、、。





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