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2015/03/21

The Wedge Dovetail Joint

蟻組みに楔

蟻組みは、良く作ってある家具の引き出しを開けてみると、前板と側板の接合部に使ってあるのを見ることが出来る。

Dsc00305

正式には、包み蟻組み継ぎと呼ぶらしいのだが、アンティークと呼ばれる家具の引き出しの構造はほぼ間違いなく、この継手が使われている。

これは、英語で言うチェスト(Chest)ではなく、もう少し長い足がついた物、コモド(Commode)と呼ばれるタイプの箱物家具。上下2段の大きな引出しに、4本の角脚。表面にはパーケトリーの装飾化施されている。18世紀のドイツのサクソン地方の物らしい。

良くその蟻組みを見てみると、、、、

Dsc00306

台形の蟻の真ん中に、長方形の木片が差し込まれているのがわかる。

楔??

この引き出しの後ろ側の組み手を、後方から見てみる。

Dsc00307

上から2番目の蟻の部分を見てみると、、、、、

Dsc00308

先細った楔が横から打ち込まれているのがわかる。

蟻組みを切った後に、鋸で斜めに楔の部分をカットして、割れないようにほんの少し大きめの楔を叩きこんだようである。

Dsc00325

この、組手かなり珍しく、実際にほとんど見ることが無い。

18世紀後半のベルリンを拠点にしていた家具職人Johann Gottlob Fiedlerが作った家具に使われていることははっきりしているが、ドイツ本国でもあまりはっきりした例がないようだ。

Komode_525_05
しかし、17世紀から18世紀にかけてのドイツ語圏からの移民が多い、アメリカのペンシルバニア州の家具では同じ蟻組みに楔の家具が多く見られるのは、何故か不思議な気がするのだが。

構造を知ると、産地が分かる、時代がわかる好例か。






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