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2015/08/23

Walnut Letter Rack

ウォルナット・レター・ラック

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ウォルナット製のレター・ラック。

レター・ラックはもちろん卓上に置いて、手紙を仕分けして入れて置く為の棚というか仕分け箱である。現代では、広告や宣伝などの無駄な手紙が多く来るのでこういうものがあると今の実生活でも意外に便利である。

もちろん、物は実用性がないと発明され、産み出されはしない。

英国では17世紀の前半に今も現存する郵便サービス、ロイヤル・メールが始められている。ある一定のサイズを持った手紙というものが離れた距離感で行き来するようになった。しかし、恐らくそのサービスも、全国的ではなく、その量も微々たるものであるが故に、レター・ラックなんてものはまだ必要がなかったに違いない。

18世紀になると、専用の書き物机が作られるようになり、女性用の物などには、隠された引き出しなどが作られていたり、手紙というもの需要が増えたことが伺える。

戦争が絶えず長く続くヨーロッパ。英国にとってはインドや北アメリカでも戦いは行われている。その為、その従軍用の家具が作られだしたのも家具製作がこの時点で頂点を極めたこの18世紀。

はきっりとはしないのだが、恐らく軍人であるキャプテン・ダヴェンポートが18世紀末頃にランカスターの老舗家具工房ギローズに従軍用の一人用の書き物机をオーダーした。それが、いまだにダヴェンポートと呼ばれる家具。

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コンパクトな一人用書き物机。緑の皮が張ってある斜めの天板の奥には、ものによっては筆記用具を入れたり手紙を収納したり出来る入れ物になっている。

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多分、こうした手紙用の仕分け箱が、机本体から独立し卓上用に作られたのが、もともとのレター・ラックの始まりではないかと個人的には思うのだが。1800年前後であろうか。

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ゴシックのデザインから来たと思われるパターン。スポルテッド・ウォルナットと呼ばれる、菌類などによって腐敗の黒が独特の文様を持った材を使用している。

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側面を見ると前板、後ろ板への接合部が見える。よく出来た蟻ホゾ。後ろから見るともう少しはっきりわかる。

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角も一番上は留め継ぎ。日本の指物の様によく作られている。

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蟻ホゾで四角がキチっと作ってあるせいか、中にある2枚の仕切り板は差し込んであるだけ。構造の一部で、膠で止められてあるものより、取り外しが出来、中も掃除がしやすかったりする。

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板厚は5㎜、接合の作りも非常にデリケートに出来ている。あまりここまで作りの良いレター・ラックにはお目にかかることは少ない。材質にウォルナット、デザインにゴシック、ヴィクトリアの時代の初めころの製造であろうか。1840~50年、イギリス。







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