旧東宮御所の家具 その1
Furniture from former Crown Prince's Palace #1
現在の迎賓館赤坂離宮(旧東宮御所)の家具が、多く愛知県の博物館明治村に収蔵されている事はよく知られていることである。が、公開された宮内庁の資料から、納入業者に関してわかったぐらいで、依然不明なことのほうが多い。
その旧東宮御所の2階に狩りの間と呼ばれる部屋がある。
南東に位置するこの部屋、ジェントルマンズ・ルームのような用向きで東宮が晩餐の後の一服、もしくはブランデーなんていうために作られたのだろうか。
宮内庁に残る東宮御所写真帖を見てみると、、、、
フランス18世紀末様式で統一された室内。
家具の納入者はフルディノア。
よく見ると見慣れた家具が存在する。
19世紀後半には、18世紀の家具のコピーが数多く作られた。フランス革命後、一度は捨ててしまったルイ宮廷時代の家具達だが、時間が経つにつれ、その技術、デザインが見直されるようになる。
家具作家Reisnerが1780年代にベルサイユ宮殿に納品されたものとかなり似ている。
現在はフォンテーヌブロー宮殿に飾られているこのコモド。
パッと見で、違うのは真ん中のマルケトリーのデザイン。
しかし、その違うマルケトリーのデザインも他のRiesenerのコモドからとったようにも見えなくはない。
王室御用達の家具作家であった彼はルイ16世の王妃マリ-・アントワネットにも家具を収めている。
発注主はこの旧東宮御所の設計者片山東熊なのだろうか?
なぜ、一番大事な真ん中のマルケトリーのデザインを変えたのか?
この家具は博物館明治村には収蔵されていない、ということはいまだに迎賓館赤坂離宮で使われているのだろうか?
現物を調査できれば、もっと色々なことがわかるに違いない。ぜひ、今後調査が出来ることを節に願わずにはいられない。
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