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2015/10/11

Oak Carved Coffer

オーク・カーヴド・コファ

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オーク、それもブラウン・オークで作られたコファ。

15世紀ぐらいから作り始められたこの形。初めは6枚のパネル(前、後、横2枚、底、蓋の6枚)を釘で打ち付けて作られた一番シンプルなシックス・プランク・チェストと呼ばれるもの。

次第にジョイナーと呼ばれる職人が、板材の割れや反りを防ぐために考え出された木枠にパネルを組み合わせるこのタイプへと進化していった。

このパネルド・コファと呼ばれる形は17世紀頃に良く見られるタイプではあるが、地方では18世紀に入っても作られていたようで、まだまだアンティーク市場で多く見られる。

初期の拙い工具から作り出されていたものと、ジョイナーやキャビネット・メーカーと呼ばれる職人が作るものにはもちろん差があるのだが、それで製作年代を見分けるのはオークの家具の場合かなり難しい。

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雰囲気のある彫刻。


時にその仕上げの稚拙さが人の目を眩ますことがある。何故か人はその技巧的な稚拙さイコール古さと勘違いする。どの時代の職人も恐らくそうだろうが、最初から曲がった線を引きやしない。

きちっと仕上げたものが、時代の流れとともに、摩耗し、歪み、割れて、さらに人の手も加わって今の形になっていく。

そういう意味ではこの家具もやや疑わしいところがあって、一概にどれくらい古いかは言えない。

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仕上げは、典型的に17世紀ごろのオイル・ヴァーニッシュかと思われる様な小さなひび割れ。

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丁番は交換してあるのがわかる。

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中もいい感じ。

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本来、右端にはろうそく用の箱がついている。その底板、側板が入る溝が見える。

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裏側にはピット・ソーと呼ばれる大きな2人で引くのこぎりの跡。

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ちなみに後ろ足の下3分の一は新材で継いである。

このコファ、接合部は膠なし。ほぞがほぞ穴に入りダボで抜けないように止めてあるだけ。これも17世紀ころの特徴だったりする。

そう考えると、このコファのかなりの部分は17世紀に作られたのではないかとも思うが、一つ何かが引っかかるとなぜかしっくりいかなかったりするのが人の性。


そのなかなか難しいのがいつもオークの家具だったりするのである。





結論、オークの家具は難しい。





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