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2016/03/06

ライム

Lime

Dsc01934

キャンドルスティック。一本の木を挽き、彫刻を施し、彩色がされている。元々はペアで作られたものの片割れではないだろうか。

お辞儀をしたようないい反り具合。とはいえ、機能的に溶けた蝋燭の蝋がテーブルにそのまま落ちてしまうという不具合はあるが。

さあ、どこの国の物だろうと考える時、何を手掛かりに答えを見つけていく?

デザインや素材。英国に現存するからと言って英国製であるとは限らない。


Dsc01937

詳細を見ていくと、挽き物で大体の形を整えた後、手で彫られているのが、彫刻鑿などの道具の跡でわかる。

Dsc01938

芯の部分の溝欠きも真っすぐでは無い。こちらでラスティックと呼ばれる、ややカントリー調の感じは、時にきちっとした線の中で生きている現代人には、ホッとさせる効果がある。

Dsc01939

材はライム。

バスウッド(Basswood)、もしくはリンデンウッド(Lindenwood)等と呼ばれたりもする。ヨーロッパ大陸ではリンデンウッドという表記を多く見る。日本ではシナノキの仲間。

英国では原産ではなく、ヨーロッパ大陸では古くから彫刻用の材として主に使われてきた。目が細かく、割れ難い。まさに彫刻の為の材。その代り、木目はさほど目立った特徴もなく、面白みがない。染色されるか、彩色されるか、鍍金がされるているものがほとんど。

英国では17世紀の終わりに、オランダからやってきた若き彫刻家グリンリング・ギボンズがもたらした。彼の繊細な彫刻にはライムの材が必須。

ロンドンにある教会でも、ぶらっと入って見る事が出来たりする。

St_johns_church

その精巧さに驚く。
が、ライム自体はギボン後はあまり英国では使われることなかった。

そう考えると、上のキャンドルスティックは南ドイツから北イタリア辺りで作られたのでなないかと思う。

ちなみに、このキャンドルスティック、上の部分が消し忘れの為、大きく焦げていた為、新しく挽き直し、彩色してある。







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