Merryweather Helmet
メリーウェザー・ヘルメット
メリーウェザー・ヘルメットと呼ばれるヘルメットがある。
ビクトリア女王の時代にロンドンにあった、"Merryweather and Sons"という消防車、消防士備品関連を扱う会社で作られたヘルメットの事をこう呼んでいる。
真鍮製。
あまり消防士様には見えなかったりする。
正面の型押しのエンブレムには、消防士の象徴である、斧とホースがデザインされている。
斧はもちろん、救助の為にドアを叩き開ける物。
ホ―スは水を吹き出し、火を消す為の物。
そう、今では当たり前だが、この頃に既にホースが使われていたそうだ。
ただし、革製。
汲み上げるポンプの容量の制限などで、もちろんあまり長くは出来ないので、やはりバケツを使う事の方が多かったようだ。
もともとこのヘルメットは19世紀中頃にフランスの消防士が使っていたものを基に、デザインしたそう。それが、イギリスのみでなく、イギリスの植民地にもかなり普及した。
そのせいか、今でもかつての大英帝国の一部だったインドで作られたコピー商品が安く買えたりする。
横についてるドラゴンのレリーフ。
これはもともと、ナポレオンが組織した消防士部隊が、ドラグーン騎兵隊と似た、真鍮製のヘルメットを被っていたことによる。
その名前はドラゴンと呼ばれる火器を使用していたことから由来していて、その関係でドラゴンのモチーフが装飾に使われたのでないかと思う。
内側は皮で内貼りがしてある。
6 7/8というのはインチ表示のサイズ。センチメートルだと55㎝。
かなり元の持ち主は頭が小さかったようだ。
隊長のヘルメットは銀メッキが施されている。
当時は真鍮もビカビカに光っていたに違いない。
昔は銀の方が金より偉かったりする事が実は多い。
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