« Indian Silver Chair | トップページ | Losing the edge »

2016/09/25

Malachite

孔雀石
Malachite_blog

マラカイトと呼ばれる鉱石。


化学式はCu2(CO3)(OH)2と書かれることから見て分かるように銅の二次鉱物であり、銅山などで見られることはそれほど珍しいことではない。


錆の緑青と科学的にほぼ同じで、アジア諸国(日本、中国、韓国)では昔から、緑の顔料として使用されてきた。


鉱石としては古くから知られていたが、芸術品などに使われることは稀で、大概はオブジェクト・オブ・ヴァーチュと呼ばれる芸術的嗜好の高い小物で見られるほどであった。


がらりと様相が変わったのは産業革命などにより、採掘や精錬等の技術が向上し新しい鉱山が開発されるようになった18世紀以降の事。

ロシアが、ヨーロッパ大陸をアジアとヨーロッパに分ける境界線上を走るウラル山脈で銅鉱が出ることを見つけてから。そこで、かなりのマラカイトが出たようで、その艶やかな緑色と金色を組み合わせたコンビネーションはロシアの十八番となる。
石細工では最高のイタリアから職人を招聘し、工房を作り技術を継承させたという。

Malachite_room_blog

サンクトペテルブルグにある冬宮殿(現エルミタージュ美術館)のマラカイト・ルームが出来たのは1830年代の事。巨大な柱、暖炉、テーブル等がマラカイトで装飾されたことによる。

1851年のロンドンで開かれた万国博覧会でもロシアの特産として、マラカイト張りの家具が展示されている。

1851_great_exhibition_blog
奥の壁際に、ペデストール、衣装ダンス、壺が見える。階上の所のバーナーはロシアの国旗の白、青、赤。






Malachite_vase_blog
緑の壺だからと言って、純マラカイト製ではない。

べニアと同じで、廉価な材料で躯体を作り、薄くカットしたマラカイトが前面に張り付けてある。   

家具の場合は、もちろん木が躯体。

環境の変動によるその躯体のやせが原因でその薄いマラカイト層が剥がれてしまうのが良くある損傷の原因。

Dsc03470
ここまで剥がれてしまうと、もう笑うしかない。

マラカイトはそれほど硬度は高くない。

モース硬度で4ほど。ナイフの刃で簡単に傷が付けられるほどの堅さ。それ故に、薄く切りべニアを作る作業はさほど困難ではないのだが、いたって脆い。


Dsc03553

脚の部分のせいぜい3㎝幅ほどの一部分だが、ロシアン・モザイクの名の通り、真ん中で継がれているのがわかる。


Dsc03552

裏に返すと、マラカイトがいかに脆いか、隙間があいているのが見える。右側、緑の色が変わる真ん中の部分に緑のフィラーが使われている。まさに、モザイクで、小さな破片を継ぎ継ぎし大きな面を作っていく。

Dsc03717

椅子の足上部。

完成するとこんな感じに。



家具には色々な物が装飾で使われるが、さすがに石を張り付けた家具はこのマラカイトの物ぐらいでないだろうか。



本当に人は色々なことを考える物である。




« Indian Silver Chair | トップページ | Losing the edge »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Malachite:

« Indian Silver Chair | トップページ | Losing the edge »

フォト

instagram

2024年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ