香道
"Way of Incense"
香道を体験してみる機会があった。
そもそも、香道とは聞きなれない言葉。
とはいえ、神道、仏教が上手く混ざり合う日本の文化では、香をたくことはそれほど非日常ではない。
神前で当たり前のようにたく線香。
正倉院の宝物にも、「蘭奢待」があるのを思い出した。
上の蘭奢待も香木の一種で、その中の伽羅(きゃら)の一種だといわれる。
ところどころに、織田信長や、家康、明治天皇が切り分け使った跡が残っている。
香木には、品質により六国五味と言う分類がなされ、大まかに7種類ある。
その名の通り、6つの国から来た5つの味。
原産はインドを初め、東南アジアの国々。
伽羅(きゃら)、
羅国(らこく)、
真南蛮(まなばん)、
真那伽(まなか)、
佐曾羅(さそら)、
寸聞多羅(すもたら)、
新伽羅(しんきゃら)
羅国(らこく)、
真南蛮(まなばん)、
真那伽(まなか)、
佐曾羅(さそら)、
寸聞多羅(すもたら)、
新伽羅(しんきゃら)
名前は、産地の名がそのまま呼び名になっているようだ。
羅国はシャムだったころのタイ。真南蛮はインドのマナバル海岸が訛ったもの。16世紀には琉球の船が、このあたりに往来し香木を輸入していた記述がある。
学術的には香木は、ジンチョウゲ科ジンコウ族の沈香、ビャクダン科ビャクダン族の白檀等が、挙げられる。
ただ、沈香に関しては、ただの沈香ではなく、何らかの理由により樹脂分が沈着したものを指す。もともと比重0.4の決して重くはない木だが、その沈着した樹脂分により水に沈むことにより沈香という名が付いたとされる。
この香木のかけらを聞香炉に乗せ、匂いを聞く(嗅ぐではない)。
お線香なんかと違い、直接火をつけるわけではない。下から燻し、香木に含まれる油分、樹脂分の匂いを際立たせる。こうすることによって、煙に邪魔されず、純粋に匂いを楽しむことが出来る。
一番鼻に残ったのは、真那伽の匂い。江戸初期に書かれた「六国列香之弁」によれば、「女の恨みたるがごとし」な匂いだそうで、まさに意を得たりという感じ。
香木の中でも特別と言われる伽羅は、紫檀系の匂いに近いかなと思うぐらい、香りが良い。
普段、五感を研ぎ澄ますことをあまりにもしない生活。
全てが、、、ながらする感じ。
ジョギングしながら音楽聞いて、テレビ見ながらご飯食べて。
時間を効率よく使うには、
自分の体と対話する事や、五感を澄ます機会は大事だなと切に感じた。
今日では、皇太子妃教育からこの香道は無くなったそうです。
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