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2016/12/05

Secrétaire

セクレテール(縦型書箪笥)

江戸時代の鎖国の最中、18世紀後半から19世紀の初め頃に出島を経由して輸出された漆器類の中に、セクレテールと呼ばれる種類の物がある。

その群の中では、最大の家具。そして、恐らく唯一現物の雛形なしに作られたもの。




一番の特徴は、フォール・フロントと呼ばれる、前面がぱたんと前に倒れてきて、机になるというもの。

Pic_2
一番上に、引き出し。その下が、フォール・フロント。一番下は両開きの扉になっている。

日本で作られた、西洋様式の家具。材はヒノキがメイン。呂色漆に螺鈿細工。




オランダの博物館に所蔵される2つのセクレテール("Sasaya"の銘があることで有名)
。フォール・フロントの部分にヨーロッパで制作された銅版画の絵が写されている。


Dsc04036

上の物は1799年のイギリス、ロシア軍の北オランダ侵攻の様子が描かれている。

ということは、その後銅版画が作られ、日本にもたらされ、写された故に1800年から1820年頃に作られたとされる。

上の文字、銅版画の写しを除けば装飾は和的。

折枝文様が目を引く。




1856年の「青貝蒔絵雛形控」にも似たデザインが残る。

Dsc04037

アメリカのピーボディ・エセックス博物館にも似たようなセクレテールが存在する。

Dsc04033_2

彩色螺鈿なのを除けば、構図や印象は驚くほど似ている。

一般的には、初期の物は螺鈿、少し後に彩色螺鈿が用いられるよう変化するがその時期があまりはっきりはしない。

ただ、後期の物の方が、表面が隙間なくぎっちりと螺鈿で埋められ装飾過多のビクトリア時代を彷彿とさせる。

フランスなどで流行しだした、鼈甲の下に彩色を施すブール・マーケトリーの影響もあったりしそうである。

そう考えると、一番上のセクレテールは、時代的に上2つの間を繋ぐ物なのかもしれない。

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月夜の富士。

鳳凰が舞い、その周りには折枝文様が撒かれている。

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全て違う花がちりばめられている。


サイドには取っ手が。

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銅製に鍍金か? 

オリジナルの鍍金ではないだろう。






今週にあるオークションに出展される一品。


こういうものはぜひ日本の里帰りさせてあげたいなあと思う。




 


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