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2017/02/19

ディレクトワール様式書箪笥

Directoire Style Secrétaire

フランスの家具の様式にディレクトワール様式と呼ばれる時代がある。

長い家具史ではあまりに短く、煌びやかなルイ16世様式とアンピール様式の間に挟まれた1789年のフランス革命後から、ナポレオンが皇帝に即位する1804年頃までの15年余りを呼ぶのだろう。

派手な時代に挟まれた、新古典主義の流れを汲むシンプルさが特徴だろうか。






ぱらぱらと、本をめくっていた時に見つけた家具。

Dsc04115

 

 

 


調度世紀末頃の家具。

 

 


シンプルなマホガニー製。

 

 


フォールと呼ばれる開き天板の上に、キャビネット部が載る。

 

 




そういえば、この形式の家具を見たことがあるのを思い出した。



Dsc04323

 

 

 



オランダのプリンス・ヘンドリック海事博物館蔵のセクレテール(蒔絵螺鈿書箪笥)。

Ng401

 

 

 



もう一つはアムステル国立博物館蔵のもの。

 

 


引き出しの上にフォール、その上に観音開きのキャビネット。


上の2本の書箪笥は、笹屋が制作し、長崎の出島経由で輸出したものとされる。

 



プリンス・ヘンドリック博物館の物はフォールの表面に1797年のキャンパーダウンの海戦の様子、国立博物館の方は1799年のイギリス・ロシア同盟軍のオランダ上陸時の戦いの様子が蒔絵で描かれている。

出島で唯一活動で来た外国人、オランダ東インド会社が1799年の末に解散しているので誰が何のために発注したのかははっきりしないが、その戦闘後に戦勝記念的な意味で作られたと考えるのが筋のような気がする。


この手の大型家具は、小さな、ライティング・ボックスやナイフ入れなどと違い現物を参考に作られたものではない。図版やプリントなどが持ち込まれコピーされた物。


実は、この2本は想像の産物だと思っていた。ルイ16世時代の上にキャビネット部のつかないセクレテールの図を参考に日本の職人が時の部分を入れるように上の部分を加えたと。


ともあれ、この形は年号的にはどんぴしゃりで、これのもとになるような、図版がわかると益々面白いのだが。

 






意外にいろいろなバリエーションがあったりする。

 

Front

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