Workshop Clearance Auction
工房一掃オークション
噂を聞いたのは今年の初め頃か。
ロンドンでも古株の一つとされる家具修復工房が閉房(?)するるらしいとの話。
確かに、英国のEU脱退も決まり、アンティーク家具の需要も昔ほどではなく、ここのところビジネスとしてはあまりいい話はない。
しかし、国会議事堂等の公共施設、ナショナル・トラストなどの団体、オークション・ハウス、博物館、貴族や個人コレクターなどなどを考えれば、需要が完全に無くなった訳ではなく、今まで生き延びてきて、やっと少し景気が上向きになって来ているのに、何故と言う疑問が湧く。
話を聞くと、賃貸だった工房を大家が売りたいとの旨。う~~ん、それではしょうがないか。結構大きな工房で、10人近く修復士が働いてただけに何とも気の毒。
その工房のコンテンツ丸ごとが、オークションに掛けられる。
奇妙な感じがするが、昔から良くあることで、他の工房の倒産の機会は、自分の工房にとって新たなビジネスチャンスの機会。
19世紀には、そうして鍍金のされたチェストの金物の雛形や抜型を購入し、新しいレプリカ家具を作るのは日常茶飯事だった。
個人の木工具こそ、オークションに出てこないが、材木、べニア、金物、強いては大きな工具類が一掃される。
どの工房でもブレーカーと呼ばれる、壊れた家具を部品取りとして取っておく。
今では、取引自体が禁止されているキューバ産マホガニーのこんな板が出てくる。幅は20cm程だが、長さ3m程。
ノブもキャスターも、鍵も、こうやってストックしておくのは修復屋の性か。
バンド・ソーも何もかも売っぱらってしまう。
本当に、そこらへんは潔い。
オークションで丸ごと、買ってしまえば、あなたもすぐに家具修復工房が始められます。さあ、いかがでしょう??
オークションは24日、金曜日。オンラインでもビット出来るようです。
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