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2018/04/14

象牙よ、何処へ

Ivory, where are you going?


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先日、英国の環境・食糧・農村地域省の環境事務次官Michael Gove氏が、同国の今後取るべき象牙に関す取引に関する発表をした。

ここ、数年間、環境保護活動家やアンティーク商、英国王室までをも巻き込んで、喧々諤々の議論が行われてきた。

しかし、国策としてとる英国の今後の方針は、かなり厳しいもの。


全面的な、象牙の取引の禁止。


これまでは、ワシントン条約に基づき、1947年以前のものに関しては、許可さえとれば、売買が可能ではあった。

ついこないだまでは、アメリカでは、自分でゲーム・ハンティングした象牙であれば2本までは、アメリカ国内に持ち込むことが出来るというものだったし、世界的には、ワシントン条約を批准した国すべてが足並みが揃ったピッと一本線の通った感じではなかったのは確かだ。

それを、時代に関係なく、全ての象牙取引の禁止はかなりのひと悶着を巻き起こすに違いない。


多少の例外は存在する。


*1947年以前の物で、象牙の占める割合が全体の10%以下の物

*1975年以前の楽器で、象牙の占める割合が20%以下の物

*100年以上経ったの希少性のある物

*100年以上経った、薄い象牙を使ったミニチュア・ポートレイト


こう見ると、大体の物は3番目の100年経った希少性のある物に該当するのだが、これも専門家にお墨付きをもらわないとダメらしく、まだまだ曖昧。



そもそも、象牙と聞いてピンと来る人のほうが少ないはず。

歴史的に見れば、象牙は彫刻の材料として長く、使われてきた。いまだに、その特性、色、質感、硬さ、加工のしやすさを持った物質は発明されていない。

だからこそ、いまだに象牙は工芸の世界では需要が存在する。


古くは、古代エジプトの椅子。


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上は、6世紀ごろ作られた東ローマ帝国の司教の椅子。

中世の象牙の彫刻。

19世紀には、こんな椅子もあった。


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インド製。

日本でも、オランダ東インド会社を通して、多くの象牙が輸入された。

江戸、明治期には根付や置物と呼ばれる象牙彫刻が、外貨を稼ぐ輸出品として海外に多く売られた。


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普段、人々の目には触れなくても、今日も象牙は買われていく。

日本で買われた象牙細工のほとんどが中国に渡るらしい。


それを消費する国。

それを産出する国。


本来、資本主義、自由貿易が基本だから、この両者で取引をし、全てハッピーのはず。

だが、ここでは名もない第3者が介入してくる。


世の中は、そういう風に出来ている。


個人的には、強く象の密猟には反対である。




が、そこではそれをして食べていかなければいけない人も存在する。


アンティーク商のように、そういうものを売って、生計を立ている人もいる。



象牙の取引を全て禁止すれば、象は救われるのか?



よく考えると、捕鯨の話と似ている感じがしないだろうか。






こう考えると、根本はいつも同じ結論になってしまう、、、、、、。










追)この件に関しては、かなりNPOからプレッシャーがあったらしい。






 

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