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2018/09/23

バルセロナ・チェア?

Barcelona Chair?

Dsc06614_3



知人の「椅子の美術館」準備室の倉庫で見た一脚。

 

ふと、モダン・デザインの名作と呼ばれる、ある椅子を思い起こさせる。


Replicadaybedloungeoriginalbarcelon



20世紀のモダニズムを代表する一人であるドイツ人の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが、1929年のバルセロナで開催された万博博覧会で臨席するスペイン国王夫妻の為にデザインされた椅子。

スチール製のフレームにクロームメッキを施してある。片持ちのカンチレバーの椅子に代表されるバウハウスの流れをくむデザイン。

横から見ると華奢に見える割には、座るととても安定していてびっくりさせられる。



さて、本題の椅子に戻ろう。

積層べニア構造。もちろん木製。


Dsc06615


前足は背ずりへと続く。座の下から生えている後ろ足。前後の足は交わっているだけで、ネジやボルトで固定されている訳でなない。

しかし、良くバルセロナ・チェアの脚の優雅さを表現していると思うのだが、、、。


Dsc06617



構造材でもある積層べニア、表裏の化粧べニアと8枚の薄板から成る。


Dsc06619


裏側。

 

古いウェビングの隙間から馬毛が見える。

  



実は、この椅子。

 

テーブルと椅子2脚の3点セットの様で、テーブルには金属製のタグ。

Dsc06624


なんと日本楽器製造(現ヤマハ)の家具。

 

ヤマハの家具と言ったら、山葉文化椅子セット。


Dsc06678


1930年頃からの発売と「日本の木のイス展」の図録には書かれているが、このテーブルの実用新案登録が昭和3年にされているので、実際には20年代後半から売られていたかもしれない。


どの文化椅子のタグを見ても、このバルセロナ・チェアもどきセットの様ではないので、ミース・ファン・デル・ローエの椅子がデザインされた1929年以降から戦前までの間に作られたと思われるのだが。


バルセロナ・チェアのような軽やかさはなく、重い感じはするが、座りはいい。

36年に発表されたブロイヤーのシェーズロングの脚の積層べニアの厚みのほうが薄いから、その当時の技術力のせいか?


ちなみに初期の頃の、積層べニアの接着剤には膠が使われていて、虫に食われていたりする。


果たしてこのもどきの脚は何で接着されているのか。


タグには、実用新案、意匠登録申請中とあるから、登録の公文書が見つかると何かわかるかもしれない。



追記

日本楽器製造会社、重ねることが出来る、組立型家具グローブ・ワーニックにも似た家具も出していたりする。



 


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コメント

同じものを今、預かっています。ヤマハ家具の方に聞いても分からないのですが、1930年代にバロセロナチェアにインスパイヤして作られたものと、やはり考えました。当時の日本楽器には、かなり優秀な方がいらっしゃったと思うのですが、記録がなくて残念です。

コメント有難うございます。私も、現物以外の文献等では見たことがありません。初期の楽器製造は木工が基本ですから、バルセロナチェアをみて、職人魂が揺さぶられたかもしれませんね。山葉さんは、文化椅子セット以外にも、ブックケースとか作っているのですが、新案特許などで追っかけるしかないかなと思っています。

>片山勢津子さん
>
>同じものを今、預かっています。ヤマハ家具の方に聞いても分からないのですが、1930年代にバロセロナチェアにインスパイヤして作られたものと、やはり考えました。当時の日本楽器には、かなり優秀な方がいらっしゃったと思うのですが、記録がなくて残念です。

ご無沙汰しております!
コロナ禍、お元気でお過ごしですか?

私は昨年の台風とコロナで家と仕事を失い(涙)、
しかし、椅子たちは何としても守らないかん!
と、青息吐息で生きております。

ブログのご記事、さすがですね!
とても勉強になります。
ありがとうございます。

来月末から1月下旬まで、
竹中工務店東京本社ギャラリーの展覧会にウチの椅子たちを貸し出す事になりました。

詳細は決まり次第、木工家ネットにアップしようと思います。

ついでがあれば、是非お越し下さい。

あ、ちなみに
現在、椅子たちと共に
昭和のくらし博物館さんに居住させていただいております。

金曜日
土曜日
日曜日
& 祝日
に開館しております。

こちらもよろしければ遊びに来てください。

またお会いできるのを楽しみにしております。

こちらこそ、ご無沙汰しております。
本当にコロナ禍のせいで何もかもが停滞してしまっている感じがします。
特に、私が住むイギリスでは、昨日二度目のロックダウンがやっと終わりました。
押垂コレクション見たいなと思うのですが、いつになったら帰ることが
出来るのかしらという感じです(涙)。

ワクチン打って、証明書がないと飛行機に乗れなくなるなんて話もあるし。

博物館に居候とは、羨ましいです。
近いうちにお会い出来ること、コレクションの存続を祈って。

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