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2018/11/06

西洋を魅了した「和モダン」の世界

A world of "Modern Japanese" that attracts the west


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昨年、出版された「金子コレクション」のイントロダクションにあたる本。


金子コレクションを知ったのは、10数年前にたばこと塩の博物館で行われた「寄木細工 海を渡った日本の木工芸」のカタログである。


海外に住むと判るが、骨董市やジャンクショップと呼ばれるがらくた屋さんなんかを覗くと、まず間違いがないといっていいほど日本の物に出会う。


あっ、これ面白いなと思って裏を見ると「Made in Japan」の表記にびっくりしたものだ。


そうやって、コレクターの端くれとしてそんなものを集めていた時に出会ったのがそのカタログ。


明治維新後、開国した日本が、来る外国人向けに作ったお土産もの達。


明治政府としても、殖産興業の一環として工芸を、輸出品の一つとして位置づけ力を入れていた背景もある。


それ故に、海外では多く見るものが日本ではあまりお目にかからない。


みんなが忘れてしまっていた歴史の一側面ともいえる。


箱根に行ってみてもわかるが、そこで箱根細工と言われる寄木細工の歴史はあまりわからない。口伝でしか残ってないのでしょうがないが、残す努力もしてこなかったというのが最大の原因と言える。



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金子コレクションの寄木細工では目玉であるシリンダー・ライティング・ビューロー・キャビネット。


こういうものを作っていたこの時期が、一番活気があったのではないかと思う。まだまだ、日本が、良くも悪くも一心不乱に前に突き進んでいた時期の作品。


そういう意味では、このコレクションは寄木細工の聖地として君臨してきていた箱根に活を入れたともいえる。


箱根で、金子コレクションの大々的な展覧会が行われないことを見ると、まだまだ道は長いなと感じる。





金子コレクションの凄い所は、その時代の息吹を感じるものを丸ごと収集していると言う事である。だから、寄木細工に限らず、陶磁器、漆器、青貝細工、麦藁細工、貝細工ありとあらゆるものに渡る。


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個人的に、リサーチしている青貝細工もそうだが、日本で文献を中心としたリサーチはある意味詰んでいる印象があって、残すところは現物の物量的調査だったりする。


学術的にも、この金子コレクションは、現物を見ることが出来る希少なコレクションでもある。


是非全貌を見てみたいものである。





世界的にコレクターと言われる人々。もちろん好きで収集しているのではあるが、アートの世界においては投資という側面ももちろんある。


ある意味、この金子コレクションと対極に位置するのが、
ハリリ・コレクション。明治時代の工芸の最高峰の物を集めたコレクションとして知られている。


優れたコレクションは、お金を生み出すと言われれうように、世界中のオーソリティーに依頼し、原稿を書かせ作った日本語にも訳されているカタログ「海を渡った日本の美術」を作り、世界中巡回展をしている。


オークションに出てくれば、あのコレクションにあったと、更に付加価値がつくに違いない。






今月終わりまで、東京のLIXILギャラリーで、「
海を渡ったニッポンの家具」展が行われている。


これを機に、日本の明治の心意気を見に行くのも面白い。




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